ガザで避難民が暮らす建物が倒壊、子ども8人含む21人死亡 イスラエルの攻撃で損傷し「傾いていた」

倒壊した建物のがれきの中で、オレンジ色や蛍光緑のベストを着けた男性たちが作業している

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画像説明, 地元住民によると、倒壊の危険があると警告されていた建物には、約10世帯が暮らしていたという。画像はがれきの下に閉じ込められた人々を救助しようとする、ガザの民間防衛隊(16日、ガザ市)
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パレスチナ・ガザ地区で16日早朝、イスラエルとの戦争で損傷していた建物が倒壊し、子ども8人を含む少なくとも21人が死亡した。ガザの救助当局と医療関係者が明らかにした。

倒壊したのは、ガザ市タル・アル・ハワ地区にある6階建ての建物。複数の目撃者はBBCに対し、この建物は1年以上前にイスラエル軍の攻撃を受け、片側に傾いて危険な状態になっていたと語った。避難民はほかに行き場がなく、倒壊の危険がある建物の中で暮らしていたという。

生存者の捜索には国連とエジプトのチームも加わったが、機材不足のため作業は難航した。ガザのイスラム組織ハマスが運営する民間防衛隊は当初、素手での捜索を余儀なくされていた。

民間防衛隊は16日午後、負傷者45人を病院に搬送し、救助活動を終了したと発表した。

きょうだいを亡くしたシェリフさんは、「みんな、テントも、住む場所も見つけられない状況だった」と話した。

「(倒壊の)危険はあっても、最後に頼れる場所はここしかなかった。おそらく悲劇につながるだろうと、みんな分かっていた。絶対に死ぬと分かっている状況へ、物資不足のせいで追いやられた」

現場近くでテント生活を送るウム・モハメド・バクルンさんは、16日早朝に息子と話をしていた時に建物が突然倒壊したと話した。

バクルンさんはBBCに対し、「まるで地震のようだった。大きな音がして、立ち上がれなかった。石が雨のように降ってきて、外を見ると大量のほこりが見えた」と述べた。「数分もしないうちに、あちこちから悲鳴が聞こえてきた」。

別の目撃者のマンスール・アブ・モハメドさんは、建物が「数秒で」崩壊したと振り返った。

「毎日、あの建物から石が1~3個落下していた。それでも、中で暮らしていた人たちには、ほかに行く場所がなかった。私は以前、その隣に住んでいたが、建物が片側に傾いているのが見て取れた」

衛星画像からは、建物の周辺が開戦から数週間のうちに攻撃を受けていたことがうかがえる。建物自体への損傷がはっきり確認されたのは、2024年に入ってからだった。

2024年12月1日時点の、今回倒壊した建物と周囲を捉えたガザ市の衛星画像

国連開発計画(UNDP)ガザ事務所のアレサンドロ・ムラキッチ所長は16日朝、倒壊現場で記者団に対し、「必要な機材や重機がなく、悲惨な状況だ」と述べた。

また、戦争によって損傷を受け、今にも倒壊する恐れのある建物はガザ全体で約400棟に上ると警告。冬が近づく中、その危険性はとりわけ高まっているという。

「何よりも重機や機材などの支援が必要だ。ここで活動する我々の同僚には、ガザに残る機材を使い続けるための(エンジン)オイルや予備部品もない」と、同所長は訴えた。

国連のラミズ・アラクバロフ人道支援調整官は、建物が倒壊したとの知らせに「打ちのめされた」と述べた。

「ただ安全な避難場所を見つけるために、命を危険にさらす必要があるなど、そんなことがあってはならない」

また、救助活動に必要な重機に加え、冬の雨季に備えて避難民用のテントや防水シート、そのほかの食料以外の物資をガザへ搬入することを認めるよう、イスラエル当局に求めた。

イスラエル側は、物資の搬入制限について、軍事利用も可能な装備がパレスチナの武装組織の手に渡るのを防ぐためだと説明している。

黄色やオレンジ色の重機で、倒壊した建物のがれきをどかしている

画像提供, Reuters

国連によると、イスラエルとハマスの戦争で、ガザでは建物の約8割が破壊または損傷している。

また、人口の約90%に当たる約190万人が避難を余儀なくされている。住民の多くは繰り返し避難させられ、うち120万人は現在、テントや仮設シェルターで避難生活を送っている。

昨年10月にイスラエルとハマスが停戦で合意してからも、ガザの人道状況は依然深刻だと、国連は警告している。人口密集地ではイスラエルによる空爆やほかの攻撃が続き、死傷者や物的被害が出ている。このため、住民は避難を繰り返すしかない状況だという。

ガザの保健当局とハマス関係筋によると、15日にはイスラエルの空爆で、子ども2人とハマス司令官1人を含む少なくとも5人のパレスチナ人が死亡した。

イスラエル軍は、ガザ南部でハマス司令官1人を、北部で別の戦闘員1人を殺害したと発表した。いずれの攻撃でも、子ども1人が死亡したと報じられている。

別の動きとして、イギリスの慈善団体「パレスチナ人のための医療支援(MAP)」は、ガザ北部ジャバリアで同団体が支援する医療センターで、患者1人がイスラエルのドローン攻撃で殺害されたと発表した。イスラエル軍の報道官はBBCに対し、こうした事案は把握していないと述べた。

ガザでの戦争は、2023年10月7日にハマス主導のイスラエル南部奇襲をきっかけに始まった。イスラエル奇襲では約1200人が殺害され、251人が人質としてガザへ連れ去られた。

イスラエルは報復として、ガザでの軍事作戦を開始した。ハマスが運営するガザ保健省によると、イスラエルのこの作戦で、ガザではこれまでに7万3790人以上が殺害された。国連は、同省の数値を信頼できるものとして扱っている。