欧州委員長、カナダのEU「準加盟国」入り計画を支持 施政方針演説で

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エイミー・ウォーカー記者、ニック・ビーク欧州担当編集委員
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は16日、カナダが欧州連合(EU)初の「準加盟国」となる提案を支持した。委員長はこの日の欧州議会で、カナダに「扉を開く」ための取り組みを行いたいとし、そのためには様々な主要分野でこれまで以上に緊密な関係を築く必要があると述べた。これについて記者団に質問されたドナルド・トランプ米大統領は、「笑える」話だと一蹴した。
カナダのマーク・カーニー首相は13日、EUとの「特別な同盟関係」の構築を目指すと述べた。カナダは現在、アメリカとの関係が緊迫しており、貿易をめぐる対立も激化している。
フォン・デア・ライエン委員長は、トランプ氏の名前こそ挙げなかったものの、カナダに何らかの形でEU加盟の機会を与えることは「他国に対抗するための提携ではなく、私たちが共に強くなるためだ」と述べた。
同委員長はさらに、「パートナーシップはヨーロッパにとって戦略的な選択だ。しかし同時に、ルールに基づく国際システムに入った亀裂に対応するものでもある」と付け加えた。
カーニー氏はこの日、仏ストラスブールで欧州議会に出席し、フォン・デア・ライエン氏の施政方針演説を聞いた。17日にはカーニー氏が演説を行う予定。
カナダとアメリカの貿易交渉は先月決裂し、一連の新たな関税措置が発動された。トランプ大統領がカナダを「51番目の州」にすると繰り返し発言したことも、北米の隣国同士の対立を激化させる一因となっている。
「同じ視点で世界を見ている」

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フォン・デア・ライエン氏は施政方針演説の中で、EUとカナダは人工知能(AI)や気候変動、地政学など幅広いテーマにおいて「同じ視点で世界を見ている」と述べた。
「我々はまた、ウクライナ、防衛、原材料、サプライチェーンなどについて、肩を並べて立ち続けてきた。しかし何よりも(中略)ヨーロッパとカナダは民主主義を信じている」
委員長は、カナダの加盟が具体的にどのように機能するかについては詳細を明らかにしなかったが、製造業、テクノロジー、AI、防衛、エネルギー、重要鉱物、経済安全保障を協力の主要分野として挙げた。
「笑える」とトランプ氏
EUとカナダのこの計画について記者団に質問されると、トランプ米大統領は「笑えると思う」と答えた。
「もしそんなことをしたら、少しでも敵対的な行為だと私が思ったら、欧州にとても厳しい関税をかけたり、欧州との貿易をやめたり、いろいろなことをする」とトランプ氏は続け、「もし善意でやることなら、それは結構だ。悪意でやることなら、欧州にとても重い関税をかける。それは可能性としてある」と述べた。
数年かかる可能性
フォン・デア・ライエン氏をはじめとするヨーロッパの指導者たちは、それぞれが似たような問題に対処する上で、カーニー氏を頼りになる味方として見出した。
これには特に、トランプ氏による攻撃的な関税措置や、EU加盟国のデンマークの主権領土であるグリーンランドを併合するという脅迫が含まれている。
しかし、現在のEUに「準加盟国」制度は存在せず、合意に至ったとしても、そのプロセスには数年かかる可能性がある。
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は先に、ウクライナにこの新たな地位を与える可能性を示唆したが、反応は賛否両論だった。
アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、北マケドニア、セルビアなど、西バルカン諸国の一部は、すでにEU正式加盟に向けた長い道のりを歩み始めている。
東ヨーロッパでは、ジョージアとモルドヴァも申請している。
EU加盟27カ国のうち10カ国は、約10年前にカナダと締結した自由貿易協定をまだ批准していない。一部の加盟国は、カナダのために新しい加盟形態を設けるよりも、既存の防衛協定や貿易協定を強化することを望んでいる。
欧州安全保障理事会の設置を提案、ロシアの脅威受け
フォン・デア・ライエン委員長は16日の演説で、今後1年間のEUの政治的・政策的優先事項を提示するとともに、ロシアによる欧州大陸への脅威が続く中、イギリスやウクライナを含めた欧州安全保障理事会の設立を提案した。
「我々は長年にわたり、カナダ、ノルウェー、ウクライナ、イギリスなどのパートナー国とともに、大陸の安全保障に焦点を当てた首脳会議の形式について議論してきた」「リスクの性質と規模を考えれば、この問題への対応は今、これまで以上に喫緊の課題となっている。だからこそ、我々は欧州安全保障理事会の実現に向けた構想を提示する」
2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻開始以来、こうした機関の設立を求める声が高まっている。
当初はフランスとドイツの構想だったが、特にトランプ大統領が北大西洋条約機構(NATO)を疑問視するようになってから、構想を支持する国が増えている。一方で、新設される理事会がNATOと不要に競合するのではないかと懸念する国もある。
フォン・デア・ライエン氏は、EUは「NATOとの連携を強化している」とし、防衛費の増額は同盟の方針と「完全に一致する」と述べた。
しかし、こうした安全保障理事会の役割において、NATO条約第4条と同様、加盟国のいずれかが脅威を感じた場合に緊急会合を招集できる能力が、その核心となる。
フォン・デア・ライエン氏は、これは第4条を「側面から補完するメカニズム」になると述べた。この表現は、NATOの機能を補完するものともとれるが、軍事的な文脈で捉えれば、NATOの機能を迂回(うかい)するものと解釈することもできる。
AIやソーシャルメディアにも言及
フォン・デア・ライエン氏は、世界的な脅威に加え、多くのヨーロッパの家庭が生活費の高騰や、技術の「目まぐるしい変化のスピード」、そしてそれが雇用や社会に与える影響について懸念していると述べた。
その他の提案には、世界最大のAI研究所を招いて、業界の最先端技術開発を支援する方法について協議することや、EU域内の企業に対する官僚主義を大幅に削減することなどが含まれていた。
13歳未満の子どものソーシャルメディア利用を抑制するための計画も提案された。これには、13歳未満の子どもが利用できるプラットフォームを禁止することも含まれる。この提案によると、13歳から15歳の子どもは、親の監督下でのみソーシャルメディアアカウントを開設できることになる。
アフリカ北部にあるスペインの飛び地領土セウタに7月末、数万人の移民が流入し、多数の死者が出た問題を受け、加盟各国が大規模な移民移動に適切に対処できるよう支援するための新しい緊急対策も策定される見込みだ。
この公約は近年、移民問題へのより強硬なアプローチを提唱することで支持を集めている欧州の右派および極右政治家のメッセージと一致するものだ。
右派の中には、セウタ経由でEU加盟国に入国しようとする大規模な動きを「侵略」と呼び、こうした危機に対処するために亡命に関する規則を一時停止すべきだという主張もある。
フォン・デア・ライエン氏は、この新たな緊急措置は「厳密に定義された一連の基準の下でのみ」特定の期間に発動されるとし、基本的人権は保護されると述べた。
人権団体は、このような措置によって、女性や子どもなどより弱い立場の人々が追い返され、国際法の下で保障されている保護を受けられなくなることを懸念している。












