トランプ氏、アメリカとイランの戦争は11月の米中間選挙後まで終わらないと

ダークスーツ姿のトランプ氏がマイクに向かって話している。背後には星条旗の赤白のストライプがぼやけて見える

画像提供, EPA/Shutterstock

Published
この記事は約 5 分で読めます

アメリカのドナルド・トランプ大統領は9日、イランとの戦争について、11月の米中間選挙が終わるまで終結しないとの考えを示した。また、それまでは原油価格も下がらないだろうと述べた。トランプ氏の発言は、テキサス州で同日に始まった共和党大会へ向かう途中でのもので、その後に共和党大会でも同様に、中間選挙まで戦争は終わらないと発言した。

トランプ氏は記者団に、「(中間)選挙直後に戦争は終わると思う。(イラン政府は)これ以上持ちこたえられないからだ」、「(中間)選挙が終わればすぐに、原油価格は急落する」と述べた。一方で、「中間選挙より少し後までかかると思う」とも話した。

さらに、イランは「(中間)選挙に影響を与えようと必死になっている。弱腰な連中を(議会に)送り込もうとしている」、そうすれば「(アメリカはイランに)干渉せず、(イランが)核兵器を保有できるからだ」と主張した。「弱腰な連中」とは、野党・民主党を指した発言とみられる。

イラン政府は、核兵器開発を目指しているとの見方を繰り返し否定している。

トランプ氏はまた、イランとの交渉が今後行われる可能性はあるとしながらも、「それについて我々は検討していない」と述べた。

屋内の会場で大統領印のついた青い演台に向かって、両手を広げて立つトランプ氏。その後ろの観客席に、アメリカ国旗などを手にした支持者が大勢座っている

画像提供, EPA

画像説明, 大統領選のない、中間選挙の年に行われる異例の党大会で演説するトランプ氏(9日、ダラス州テキサス)

トランプ氏はこの後、テキサス州ダラスで始まった共和党大会でも、「イランとの戦争に勝てばすぐさま」石油価格は急落すると繰り返した。

党大会での基調演説でトランプ氏は、「選挙の後、すぐに戦争は終わる」、「(イランは)必死になって戦い続けている。そうすれば(選挙後は)ばかで弱い民主党とやりとりできる、核爆弾も持てると期待しているからだ。しかし、そんなことにはさせない」と述べた。

イランとの戦争に対する国民の不満については、「いつもそうだ、色々な人に言われる。『イランとの戦争しないでほしかった。ガソリン代が高くなった』と。そこで私はこう言うんだ。『ひとつ質問させてくれ。イランが核兵器を持ってもいいのか?』。絶対にだめだ」とトランプ氏は言い、集まった支持者は大きく拍手した。

大統領選のない中間選挙の年に、共和党が党大会を開くのは初めて。11月3日に行われる今回の中間選挙では、アメリカ政界の勢力図が変化する可能性がある。歴史的に、現職大統領の政党は中間選挙で連邦議会の議席を大きく失う傾向がある。

トランプ氏は支持率の低下に直面しているほか、身内の共和党から、イランとの戦争を終わらせるよう圧力を受けている。

アメリカとイランの戦争は7カ月目に突入している。トランプ氏は開戦当初、戦争はほんの数週間で終わるとの見方を示していた。アメリカがイスラエルと共に2月28日にイランを空爆したことで始まったこの紛争そのものが、不人気なことに加え、ガソリンから食料品に至るあらゆるものの値段への影響をめぐり、トランプ氏の支持率は大幅に低下している。

中東ではここ数日、戦闘が激化し、同地域各地の石油関連施設が攻撃を受けている。このため、9日には原油価格が7月以来となる1バレル=100ドル(約1万5000円)まで上昇した。

世界の燃料価格に加え、海上輸送を必要とするあらゆる商品の価格が押し上げられている。

こうした中、米中央軍は8日、イランが過去2日間で2度にわたり米軍艦を標的にしたことへの報復として、米軍が同日、イランのタンカー5隻を攻撃したと発表した。これに対しイランは、ホルムズ海峡で米海軍の駆逐艦2隻と石油タンカー8隻を攻撃したと発表した。イラン国営メディアによると、これらの船舶に「甚大な被害」が出たという。

また同日、イランが支援するイエメンの反政府勢力フーシ派が、サウジアラビアのエネルギー施設と民間インフラを攻撃した。サウジアラビア当局によると、この攻撃で73人が負傷した。

サウジアラビア軍とエネルギー省によると、ドローンとミサイルによるこの攻撃で石油施設や関連設備で火災が発生し、一時的な操業停止を余儀なくされた。

アメリカとイランは6月に、「最大」60日以内に最終合意に向けて交渉し、合意に達することを盛り込んだ、戦争終結に向けた「了解覚書」(MOU)に署名した。しかし、先月にその期限は切れ、両国は戦闘を再開した。燃料価格の高騰により、アメリカでは金利がさらに引き上げられるのではないかとの見方が強まっている。