子ども3人を殺害した母親の米裁判、「審理無効」に 産後の精神疾患で無罪主張

長い髪の女性が法廷でいすに座っている。隣には白髪のスーツ姿の男性が座っている。被告の右側には制服姿の職員が立っている

画像提供, Reuters

画像説明, リンジー・クランシー被告(中)は自分の子ども3人を殺害した罪に問われた
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アメリカ・マサチューセッツ州の裁判所は4日、自分の幼い子ども3人を殺害した罪で起訴された母親の裁判で、審理無効を宣言した。被告側は、産後の精神疾患を患っていたとし、刑事責任を問われるべきではないと主張。陪審がどのような判断を示すかが大きく注目されたが、評決に至らなかった。

元看護師のリンジー・クランシー被告(36)は、2023年に州内の自宅で、当時5歳、3歳、8カ月の子ども3人を殺害したとして、第1級殺人罪3件で起訴された。検察は、被告が計画的、意図的に子どもたちを殺害したと主張した。

被告は子どもたちを殺害後、ナイフで自分の体を切りつけ、自殺を図って2階の窓から飛び降りた。その結果、下半身にまひが残った。

被告は殺害を否定しなかったが、犯行当時に正常な判断ができなかったとして、無罪を主張した。

6週間にわたった裁判は国内外で大きな関心を集め、裁判所の外には大勢の人が集まった。

陪審員らは1週間、評議を続けた。途中、全員一致の評決を出すことができないと、判事に3度伝えた。判事は、評決に至る可能性が完全になくなるまで審議を続けるよう、陪審員らに求めた。しかし結局、評決に達することはできなかった。

それを受け、ウィリアム・サリヴァン判事がこの日、審理無効を宣言した。

アメリカの法律では、陪審の評決は、全員一致の「合理的な疑いの余地のない」結論が条件とされる。それが得られない場合、判事は審理無効を宣告でき、裁判は評決なしで終了する。

同じ服を着た幼い子どもたちが笑顔で並んで写っている写真

画像提供, Patti Anne Photography

画像説明, 被告の3人の子ども

審理無効は、 検察が有罪を立証したことにはならない。一方で、被告が無罪であることも意味しない。

審理無効となった場合、検察は新たな陪審による裁判か、司法取引に向けた交渉を求めることができる。また、起訴を取り下げる選択肢もある。

今月29日に公判が予定されており、検察はそこで、今後の対応方針を明らかにする見通し。

審理無効によって、被告はすぐに自由の身になるわけではない。殺人罪での起訴と拘束は続き、弁護団が今後の対応を検討する間、これまでと同じ精神医療施設に収容される。