トランプ政権の技術顧問、中国AIモデルが米競合から技術を盗んだと非難

画像提供, Future Publishing via Getty Images
オズモンド・チア・ビジネス記者
ドナルド・トランプ米大統領の科学技術顧問は22日、中国のAIスタートアップ企業「月之暗面(ムーンショットAI)」が、アメリカの最先端の人工知能(AI)モデルの能力を盗もうと「大規模な」取り組みを行っていると非難した。
ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)のマイケル・クラツィオス局長はソーシャルメディアへの投稿で、ムーンショットAIは米同業アンソロピックに対し、より弱いAIモデルがより強いAIモデルから回答を抽出する「蒸留」と呼ばれる手法を用いたと主張。また、モデルの学習のために、アクセスが制限されている米エヌビディアの最先端サーバーにアクセスしていたとも述べた。
BBCは、ムーンショットAI、在米中国大使館、アンソロピック、ホワイトハウス、そしてエヌビディアにコメントを求めている。
クラツィオス氏はXで、米政府は、ムーンショットAIが最新のAIモデル「Kimi K3」の開発に際し、アンソロピックの「クロード・フェイブル」から機能を「蒸留」したという情報を入手していると述べた。
「Kimi K3」は先週の発表以来、世界中で注目を集めており、多くの人が欧米と中国のAIモデルの差を縮めたと考えている。ムーンショットAIはK3について、アメリカの最先端技術に匹敵する能力があると述べている。
クラツィオス氏によると、ムーンショットの活動では、エヌビディアの最先端の半導体を搭載したサーバー「GB300グレース・ブラックウェル」が使用された可能性が高いという。
米政府は2022年、中国軍による利用の懸念から、エヌビディアの最先端チップの輸出を制限した。それ以降、各国政府がこれらのチップの密輸を取り締まるようになった。
クラツィオス氏の投稿の前日には、スコット・ベッセント米財務長官が、中国のAIモデルがアメリカの競合から技術を盗んだかを調査すると発表したばかりだった。
ベッセント氏は22日、中国企業が「産業規模の蒸留攻撃」を行うことで知的財産(IP)窃盗の「一線を越えた」場合には、制裁措置が「検討される」とも述べた。
「我々はオープンソースAIと、それがもたらすイノベーションを支持する。しかしオープンソースだからといって、アメリカのIPを無差別に侵害できるわけではない」
中国政府は最新の疑惑に対する公式声明を発表していないが、以前には、中国のAI開発は「自国の献身と努力、そして国際協力の成果」だと述べている。
アメリカが中国のAI企業への監視を強めるなか、9月には、トランプ大統領が中国の習近平国家主席と会談すると見込まれている。
ムーンショットAIは今月27日にも、「Kimi K3」をオープンソースモデルとして公開する予定。この規模のモデルが、開発者や一般ユーザーが自由にダウンロードしてカスタマイズできるようになるのは初めてだという。
アンソロピックは6月、中国のアリババ・グループが蒸留攻撃を用いて同社のAIモデル「クロード」の機能を「不正に」抽出した非難。米連邦議会に対し、これらの攻撃に関与したとされる企業に制裁を科し、アメリカの技術が盗まれるのを防ぐための対策を強化するよう求めた。
ホワイトハウスは4月、外国の競合企業による技術窃盗を目的とした「産業規模の活動」に対抗するため、自国のAI企業とより緊密に連携していくと発表した。
クラツィオス氏はこの時に明らかになったメモの中で、こうした活動は「アメリカの研究開発を組織的に阻害し、機密情報にアクセスする」ことを目的としていたとしている。















