サウジアラビア、タンカーがイランに攻撃されたと非難 フィリピン人船員2人死亡か

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サウジアラビアは2日、同国の超大型タンカー1隻がホルムズ海峡で8月31日夜にイランの攻撃を受けたとして、イランを非難した。この攻撃で、フィリピン人の船員2人が死亡したという。
サウジアラビアの国営海運会社バハリは2日、同社が所有する船舶「シドル」が「ホルムズ海峡を通過中、安全保障上の事案に巻き込まれた」と明らかにした。
複数の海事警備会社によると、シドルはオマーンのムサンダム半島の北で、複数の飛翔(ひしょう)体による攻撃を受けた。同じころ、韓国の超大型タンカー「セネガル・プロスペリティー」も、ムサンダム半島の東で攻撃を受けたと報じられている。
イランはこれまでのところ、サウジアラビア側の主張に反応していない。ただ、イランは先に、ホルムズ海峡の無許可の航路を通過していたタンカー2隻が機雷に接触し、炎上したと説明していた。
ホルムズ海峡を航行中のタンカーの船員が死亡したとの知らせは、アメリカとイランが7月以来最大規模の交戦をした後に伝わった。米軍はイランを空爆し、イラン軍はアラブ諸国にある米軍基地にミサイルやドローンを発射するなどした。
イランの保健相は2日、米軍の攻撃で18人が死亡し、108人が負傷したと発表した。イラン南部シリクでは1日、結婚披露宴が催されていた民家に米軍のミサイルの破片が飛来し、子ども2人を含む4人が殺害された。イランはアメリカが「戦争犯罪」を犯していると非難した。米軍は複数の報告について調査中だとした。
何があったのか
バハリは声明で、シドルに影響を与えた詳細不明の「安全保障上の事案」が、8月31日午後11時40分ごろ、ホルムズ海峡で発生したと説明した。
同社は、「この事案により、フィリピン人船員2人が命を落としたことを、深い悲しみとともに確認する」と付け加えた。そして、「この困難な時に、遺族や愛する人々、同僚の方々に心からの哀悼の意とお見舞いを申し上げる」とした。
サウジアラビア外務省はその後、「ホルムズ海峡を通過中のサウジアラビアのタンカー『シドル』をイランが標的にした」ことを非難すると表明した。
同省は、ヨルダン、バーレーン、クウェートに対するイランの最近の攻撃も非難した。そのうえで、「事態激化を止め、国際航行の保安と安全を尊重する必要性」に加えて、世界のエネルギー供給の保安、国家主権、国際法を尊重する必要性もあると強調した。
こうした声明が出される前日の1日には、海事リスク管理・情報会社のマリスクスとケプラーが、サウジアラビア産原油をそれぞれ200万バレル積んだタンカー2隻が8月31日遅く、ホルムズ海峡を通過中に攻撃されたと報告していた。正体不明の飛翔体による両タンカーへの攻撃は数分間隔で起きたという。
マリスクスによると、シドルはグリニッジ標準時8月31日午後7時52分(日本時間9月1日午前4時52分)、オマーン・ハサブの北東約16カイリ(約30キロメートル)の海上で「正体不明の飛翔体」による攻撃を受けた。一方、セネガル・プロスペリティーは、ハサブの東約17カイリの海上で「正体不明の飛翔体3発」の攻撃を受けたという。
イギリスの海上貿易業務調整機関(UKMTO)も、同海域で2件の事案が発生したと報告している。

イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は2日、声明を発表し、石油タンカー2隻が「米軍の働きかけで、ホルムズ海峡の違法な航路を通航しようとした」後、「機雷に接触して爆発した」と主張。2隻は「現在も炎上している」と付け加えた。
米軍はこの件についてコメントしていない。最新の対イラン空爆については、「IRGCが最近、ホルムズ海峡を通過する商船や、米軍人への攻撃を試みた」ことを受けたものだと説明した。
通常、世界の石油と液化天然ガスの約5分の1が通過するホルムズ海峡は、2月末にアメリカ・イスラエルとイランとの戦争が始まって以降、事実上封鎖されている。イランは商船に対してミサイルやドローンで攻撃し、アメリカもイラン港湾の海上封鎖を続けている。
アメリカとイランは6月に、戦争終結に向けた「了解覚書」(MOU)に署名した。その合意文書には、交渉によって「最大」60日以内に最終合意に達するとの目算が盛り込まれた。しかしその後、イランによる船舶への攻撃と、アメリカによる海上封鎖が再開され、合意は数週間で破綻した。
イランは、ホルムズ海峡に対する一定の支配権を手放さないと主張している。また、イランが指定する、イラン領海を通る航路を回避してオマーン領海の南側航路を通過する船舶を攻撃している。
イランによる攻撃が続く中でも、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ホルムズ海峡は「開かれている」と宣言している。米軍は、船舶が同海峡の南側航路を通過できるよう支援している。
クリス・ライト米エネルギー長官によると、8月31日には、船舶に積まれた計1700万バレルの原油がホルムズ海峡を通過した。1日あたりの輸送量としては、開戦後で最大となった。















