英仏首脳、小型ボートや国際情勢での関係強化を確認 大英博物館ではチャールズ国王と「バイユーのタペストリー」を観覧

だんろの前に置かれた椅子に座って会談するバーナム氏とマクロン氏。椅子の後ろには英仏の国旗が置かれている

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画像説明, マクロン仏大統領(左)とバーナム英首相は、幅広い問題について会談した(3日、ロンドン)
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イーワン・サマーヴィル政治記者、ニック・アードリー政治担当編集委員

イギリスのアンディ・バーナム首相は3日、イギリスを訪問中のフランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談した。7月に就任したばかりのバーナム氏はこの日、初めて外国首脳を首相官邸に迎えた。

両首脳は、不法移民対策の取り組みを「強化」し、イギリスを欧州に近づける方法について協議した。また、ウクライナにおける長距離ミサイル生産についても話し合った。

バーナム氏は、マクロン氏が自分が迎える初めての外国首脳だったことは「実にふさわしい」と述べ、マクロン氏を「我々の最も近い隣人であり、親しい友人であるエマニュエル」と評した。

バーナム首相はまた、占領下のヨルダン川西岸地区におけるイスラエルの新たな入植地建設計画を取り上げ、「容認できない」と非難した。

「これは、ウクライナ問題、小型ボート問題、そして英・EU(欧州連合)関係の強化などで我々が示しているのと同様、協力によって何が達成できるかを示すものだ」とバーナム氏は付け加えた。

マクロン大統領は「これは非常に強固な関係だ。私にとって極めて重要であり、より緊密な関係を築くための意欲と決意を持ってここに来た」と述べた。

マクロン氏は今回、フランスが所有する「バイユーのタペストリー」を大英博物館に貸与するのに合わせてイギリスを訪問した。2日には同博物館で英国王チャールズ3世と会見し、一般公開に先駆けてタペストリーを観覧した。

英首相官邸は3日の首脳会談の後、バーナム氏とマクロン氏が、不法移民が小型ボートで英仏海峡を渡る問題について、抑制に一定の進展が見られたものの、今後さらに前進する必要があるとの認識で一致したと述べた。

2人はまた、「イギリスが欧州との関係強化を目指していること」についても議論したが、バーナム氏は、EUが策定している産業保護政策「メイド・イン・ヨーロッパ」調達計画が、イギリスの産業に及ぼす潜在的な影響について懸念を表明した。

バーナム氏は以前から、前任者のサー・キア・スターマーと同様、欧州との関係強化を訴えてきた。

英仏首脳はこのほか、イギリスの巡航ミサイル「ストームシャドウ」のフランス版「スカルプ」について、ウクライナ国内に組み立て工場を設立することも協議。さらに、中東情勢とホルムズ海峡における緊張緩和の必要性についても話し合った。

バーナム氏はまた、イスラエルがヨルダン川西岸での入植住宅建設の入札を開始したことを取り上げ、「容認できないものであり、2国家解決の見通しを損なうだけだ」と述べた。国際的な支持を得ている「2国家解決」は、ヨルダン川西岸地区とガザ地区でなる独立したパレスチナ国家を樹立し、東エルサレムを首都としてイスラエルと共存させる案。

イスラエルは先に、エルサレムの東に位置する戦略的に重要な「E1」地区で、入植者向けの住宅約1200戸を建設するための入札を開始した。この開発計画は事実上、ヨルダン川西岸地区を二分し、東エルサレムを孤立させるとみなされている。

国際法ではすべての入植地は違法とされており、イスラエルは国際社会からの圧力の下、同地区への入植計画を、数十年間留保し続けてきた。

英仏の関係強化

バーナム首相がマクロン大統領を出迎えたことは重要かつ象徴的な瞬間だ。イギリスにとってフランスの関係が重要な優先事項であることを示している。

しかし、これは明白な現実を反映している。小型ボートによる渡航をさらに減らすためには、フランスとの協力が不可欠となるだろう。

また、両国はウクライナとイラン問題についても極めて緊密に協力し、共同でトランプ米政権に働きかけようとしている。

そして、イギリスが新首相の下で欧州との経済関係をさらに強化しようとする中で、フランスは重要な役割を果たすことになるだろう。

こうしたなかで、英仏海峡を不法に渡る「巨大ゴムボート」は、この2人が直面する最も差し迫った課題と言える。8月初旬には、全長15メートルの船が移民230人を乗せてイギリスに向かっていたのが初めて確認された。今年の夏、イギリスへの小型ボートの到着数は7年ぶりの低水準に落ち込んでいた。

英首相官邸は、大勢が乗る大型ゴムボートに対処するため、警官45人を「緊急対応チーム」としてフランスの海岸に増派すると発表した。

バーナム氏もXへの投稿で、「これまでとは違うやり方で政治に取り組んでいる」と強調。小型ボート、移民の送還、難民収容ホテルに関する最新の数字を示したうえで、密入国を斡旋(あっせん)している犯罪組織は「ヨーロッパ共通の課題」だと表現した。

「バイユーのタペストリー」が大英博物館に

薄暗い室内に横長のタペストリーが展示されている。その前でチャールズ国王とマクロン氏が談笑している

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画像説明, 「バイユーのタペストリー」の前で談笑するチャールズ英国王とマクロン仏大統領(2日、ロンドン)

ロンドンの大英博物館では来週から、1066年にノルマンディー公ギヨーム2世(後のウィリアム征服王)がイングランドを征服した「ノルマン・コンクエスト」を描いた「バイユーのタペストリー」の一般公開が始まる。

バイユーのタペストリーは11世紀に制作されて以降、主にフランスで保管・展示されてきたが、2025年7月のマクロン大統領の公式訪問の際、イギリスでの展示が発表された。

2日には一般公開に先駆け、チャールズ英国王夫妻、マクロン大統領と妻のブリジット・マクロン氏、バーナム首相と妻のマリー=フランス・ヴァン・ヒール氏などが、大英博物館の趣のある薄暗がりの中で、この歴史的な刺繍作品を鑑賞する機会を得た。

大英博物館のグレートコートで演説したチャールズ国王は、この「前例のない」貸与を称賛し、イギリスとフランスの親密さを示す「これ以上ない象徴」だと述べた。

また、タペストリーの中で敵対するノルマン人とアングロ・サクソン人も、「これほど根本的な価値観を共有する二つの偉大な国家」が結束している様子を目にすれば、きっと大いに喜んだに違いないと述べた。

国王はまた、自分はこのタペストリーに描かれているウィリアム征服王の直系の子孫だと説明。このタペストリーは、「これらの島々における我が家の、フランス側の歴史の始まりを物語っていると思っている」と付け加えた。

白地のタペストリーに、帆船が岸に到着する様子が刺繍されている

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画像説明, 「バイユーのタペストリー」にはノルマン・コンクエストの状況が描かれている

マクロン大統領はこのタペストリーを「傑作」と評し、1930年代に初めて貸出の提案がなされていたが、その構想がようやく実現したことを大変喜ばしく思うと述べた。

同大統領は、歴史家のデイム・メアリー・ビアードやテリーザ・メイ元英首相らを前に、ロンドンでのこの展覧会は「我々が団結していることの証」であり、「両国が力を合わせれば何ができるかを思い起こさせるもの」だと語った。

全長70メートルのこのタペストリーは、もともとイギリスで制作されたもので、ノルマン・コンクエストや、ウィリアム征服王がアングロ・サクソン王ハロルド2世を破ったヘイスティングスの戦いなどが描かれている。

このタペストリーは、常に細心の注意を払って管理されてきたわけではないため、最後の場面は失われたか、あるいは破壊されたと考えられている。18世紀のフランス革命では、兵士の荷馬車の幌(ほろ)を作るために切り刻まれる運命から救い出された。