日本政府、武器輸出規制を緩和 戦後平和主義からの転換

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森来実・東京特派員、コー・ユー記者
日本政府は21日、長年にわたる武器輸出の制限を緩和し、10数カ国以上への武器輸出を可能にした。戦後日本の防衛政策を特徴づけてきた平和主義から、日本政府が離れていく転換において、この決定は一つの節目となる。地域情勢の緊張が高まる中での動きでもある。
高市早苗内閣は、これまで武器輸出の目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限っていた「5類型」の制限を撤廃した。これにより日本は、アメリカやイギリスを含め、防衛協定を結ぶ17カ国に殺傷能力のある兵器を輸出できるようになる。
紛争に関与している国への輸出禁止は維持される。ただし政府は、「特段の事情」がある場合には例外を認めるとしている。
高市首相はソーシャルメディア「X」への投稿で、「安全保障環境が厳しさを増す中、今やどの国も1カ国のみでは自国の平和と安全を守ることはできず、防衛装備面でもお互いを支え合うパートナー国が必要です」と書いた。
他方、「戦後80年以上にわたる平和国家としてのこれまでの歩みと基本理念とを堅持することに、全く変わりはありません」、「新たな制度の下、より厳正かつ慎重に移転の可否を判断しながら、装備移転を戦略的に推進してまいります」とも述べた。
木原稔官房長官は記者会見で、「これらの決定は、我が国を取り巻く安全保障環境の変化が加速度的に生じる中、日本の安全を確保し、地域と国際社会の平和と安定に一層寄与するものです」と述べた。
中国は、日本の「無謀な軍事化」だとする今回の動きについて、「重大な懸念」を表明した。中国外務省は同日の定例記者会見で、「中国は引き続き高度な警戒を維持し、(日本の決定に)断固反対する」と述べた。

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新たな武器輸出規則は、日本の自衛隊がアメリカとフィリピンによる年次の軍事演習に参加する中で発表された。日本はこれまでのオブザーバー参加ではなく、初めて戦闘員として演習に加わる。
中国は、この演習が地域の分断を深めるとして反対している。演習は、台湾を含め、中国が領有権を主張する海域や島々に近いフィリピン各地で行われている。
中国は台湾を、自国から分離した省で、いずれは再び中央政府の支配下に置かれるべきだと考えている。台湾を掌握するための武力行使を排除していない。
高市首相は昨年11月、中国政府が台湾を攻撃した場合に、日本が自衛隊で対応する可能性について国会で言及し、中国の反発を招いた。
約80年の平和主義
日本の防衛姿勢は、1947年に制定された戦後憲法に盛り込まれた。国際紛争を解決する手段としての武力行使を放棄し、戦力を保持しないと明記している。
平和主義は以来、数十年にわたり、日本のアイデンティティーの一部となってきた。しかし、この考え方は徐々に変化している。
2014年4月に当時の安倍晋三首相は、武器輸出を原則禁止した「武器輸出三原則」を撤廃。新たな「防衛装備移転三原則」で、同盟国や友好国との武器の共同開発を可能にするとともに、日本の防衛産業に新たな市場や技術へのアクセスを認めた。
2023年には、当時の岸田文雄首相がさらに踏み込み、第2次世界大戦後で初めて、殺傷武器の完成品輸出を解禁した。
高市首相は、平和主義憲法の改憲を支持している。具体的な変更点は示していないが、多くの人は戦争放棄を定めた第9条が改憲対象に含まれると考えている。
高市氏の支持者は、中国、ロシア、北朝鮮に囲まれた国として、もはや旧来のルールが通用しない新しい現実に日本は向き合う必要があるとしている。
一方、首相に批判的な人々は、日本が戦争を遂行できる国になりつつあると懸念する。この人たちにとって、改憲に対する高市氏の姿勢は、日本が軍事的な紛争に巻き込まれる可能性を意味しかねないものだ。











