中国の反体制活動家、ゴムボートで脱出 韓国で拘束される

ベージュ色のジャケットを着た毛氏が演台の後ろに立って斜め前を見ている。近くには中国国旗が立てられている

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画像説明, 中国外務省の毛寧報道官(写真)は今回の事件について把握していないと述べた(2025年11月撮影)
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ケリー・アン

中国の反体制活動家が、ゴムボートで同国を脱出し、海上を長時間漂流した末に、韓国で拘束された。

拘束されたのは、中国の元警官で人権活動家の董広平氏(68)。25日夜に韓国の領海内で発見されたという。

韓国海洋警察は、発見した漁船から通報を受けて董氏を救助したと発表した。同警察はBBCの取材に、董氏は入国管理法違反の疑いで捜査されており、近く身柄が検察に送られると話した。

董氏は中国で、天安門事件の犠牲者を追悼する集会への参加などの活動を理由に、数回投獄されている。これまで少なくとも3回、中国から脱出し、そのたび送還されている。

中国外務省の毛寧報道官は、この事件のことは知らないと話した。

カナダ在住の活動家のシェン・シュエ(盛雪)氏は、董氏と韓国到着後に電話で話をしたとXに投稿。董氏について、山東省中部の都市・濰坊からエンジン付きゴムボートで出発していたと説明した。

また、電話で董氏は、海上で30時間以上を過ごし、韓国西海岸の泰安(テアン)沖に到達した頃には疲労で「気を失いそう」だったと話したとした。

シェン・シュエ氏によると、脱出計画については以前から董氏と話しており、危険すぎると忠告していたという。

シェン・シュエ氏は、「結局、彼は本当にやってしまった。(中略)董広平はあまりに粘り強く勇敢だ」とし、今回の脱出は「綿密な確認と準備」を伴って計画されていたと付け加えた。

米ニューヨーク拠点のNGO「中国人権(HRIC)」は、董氏が中国で「迫害や拷問を受ける深刻な危険にさらされている」と主張。韓国に対し、「人道主義の原則と国際的な人権義務を順守」して、董氏を中国に引き渡さないよう強く求めた。

HRICはまた、韓国当局に対し、董氏の政治亡命を認めるか、同氏の家族が暮らすカナダへの安全な渡航を支援するよう要望。「70歳に迫る男性が、小さなゴムボートで外洋を渡らざるを得なかったという事実は、それ自体が中国の人権状況に対する痛烈な告発だ」とした。

白い口ひげとあごひげを生やしメガネをかけた男性が正面を見ている

画像提供, Frontline Defenders

画像説明, 中国の人権活動家の董広平氏

度重なる脱出

董氏は1999年、民主化を求めたデモ参加者らを残忍な方法で弾圧した天安門事件の10周年に合わせて作られた請願書に署名し、警察の職を失った。

2001年には、「国家権力転覆扇動」の罪で3年間収監された。人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、2014年にも天安門事件の追悼行事に参加したことで再び投獄された。

最初に中国から脱出したのは2015年10月で、妻と娘と共にバンコクに渡った。そこで国連から難民認定を受け、カナダへの再定住が認められた。

ところが、カナダへの出発を目前に、タイ当局は董氏を中国に強制送還した。難民認定を受けていた別の反体制派活動家も一緒だった。国連はこれを強く批判した。

董氏は最終的に、「国家転覆扇動」と「不法越境」の罪で収監された。

2回目の脱出は2019年で、福建省石獅市から台湾の金門島まで泳いで渡ろうとした。しかし、中国の漁民に発見され、警察に引き渡された。

2020年には、中国を脱出してヴェトナムに入った。首都ハノイで2年間潜伏生活を送ったが、ゆくゆくはヴェトナムの警察に拘束され、中国へ強制送還された。

董氏は不法越境の罪で11カ月服役し、2023年10月に出所した。

中国の反体制派の人物が海を渡って韓国へ逃れた例は過去にもある。

2023年には、人活動家の権平氏がジェットスキーで韓国へ脱出した。当初、入管法違反の容疑で拘束されたが、のちにアメリカに移り住んだ。

(追加取材:ホス・リー)