中国からジェットスキーで300キロ、「密入国を試みた」男性を逮捕=韓国当局
セリア・ハットン、ハリソン・ジョーンズ、BBCニュース

画像提供, South Korea Coast Guard/AFP
ジェットスキーに乗って韓国に亡命しようとした中国の人権活動家とみられる男性が、韓国で逮捕されていたことが明らかになった。韓国の海洋警察庁が22日、発表した。
韓国の海洋警察庁によると、男性は双眼鏡とコンパスを使って黄海を約300キロ横断したが、ジェットスキーが立ち往生したという。
地元メディアは男性について、習近平国家主席を批判する権平氏だと報じている。しかし、男性の身元については検証できていない。
ソウルの中国大使館はコメントを拒否した。
中国の反体制派の亡命難しく
中国政府は近年、活動家たちが中国領土から離れるのを阻止するため、空港やそのほかの合法的な国境検問所における出国禁止措置の適用を強めている。
中国寄りの東南アジアの多くの国は、亡命希望者を受け入れなくなっている。そのため、亡命を希望する中国の反体制派たちはさらなる困難に直面している。
先月にはラオスで、中国の著名な人権派弁護士の盧思位氏が現地当局に拘束された。盧氏はアメリカで暮らす妻と子供たちに会いに行こうとしていた。
ジェットスキーで荒い波を渡って韓国へ逃亡するというのは、おそらく現代において非常に極端な試みのひとつといえる。
燃料を補給しながら黄海を横断
男性はライフジャケットとヘルメットを着用し、排気量1800ccのジェットスキーで山東省からの燃料が入ったタンク5つを牽引(けんいん)していたと、韓国の海洋警察庁は説明。「男性は走行しながらガソリンを補給し、空になったタンクを海に捨てていた」という。
その後、仁川港の西にあるクルーズターミナル付近でトラブルが生じ、男性は助けを求めた。
海洋警察庁は男性の身元を明らかにしていないが、「密入国を試みた」として16日に拘束したという。男性がスパイである疑いはないとしている。
韓国を拠点とする国際NGO「ダイアログ・チャイナ」の運動家イ・テソン氏は22日、拘束された権氏について、中国からの脱走者だとAFP通信に語った。
権氏は過去に習国家主席を公然と批判し、中国で収監されたことがあるとされる。
男性には、中国からの合法的な出国を禁じる出国禁止令が出されていた可能性が高い。つまり、亡命申請のために通常の移動ルートで出国しようとすれば、ほぼ間違いなく問題が生じることになる。
前出のイ氏は、「法を犯して韓国に入国するという(権氏の)手段は間違っていたが、命がけで韓国に渡った背景には、2016年以降の中国当局の監視と、権氏への政治的迫害がある」と述べた。
また、権氏は現在、韓国または第三国での難民申請を検討しているとした。韓国は毎年、ほんの一握りの難民申請しか認めていない。







