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トランプ氏や高官らを「狙った可能性が高い」と米当局 記者会夕食会での発砲事件
アメリカのドナルド・トランプ大統領が出席していたホワイトハウス記者協会主催の夕食会の会場付近で発砲があった事件で、司法省のトッド・ブランチ長官代行は26日、逮捕された容疑者がトランプ氏や側近らを標的としていた「可能性が高い」と述べた。
首都ワシントンのホテルで25日夜に起きたこの事件では、夕食会の会場フロアとは別の階にある警備検査場の近くで、銃を所持していたとされる人物が逮捕された。米メディアは、逮捕されたのはコール・トーマス・アレン容疑者(31)だと報じた。
当局によると、捜査当局の警備担当は撃ち合いの末に容疑者を取り押さえた。容疑者も発砲した様子という。容疑者は被弾しなかったが、検査のため病院に搬送された。防弾ベストの上から銃弾を受け負傷したシークレットサービス(大統領警護隊)の隊員は、すでに退院したという。
警察によると、容疑者は銃2丁と複数のナイフを所持していた。
容疑者はソーシャルメディア「リンクトイン」で、自分を機械系エンジニア、ゲーム開発者、教員と紹介している。カリフォルニア州トーランス在住とされ、容疑者に関係するとみられる住居で家宅捜索が行われた。
BBCが提携する米CBSニュースに当局者2人が話したところでは、容疑者は捜査当局に対し、トランプ政権の当局者を射殺するつもりだったと供述したという。
当局によると、容疑者は27日に連邦裁判所において、連邦職員への暴行罪と、暴力犯罪で銃器を使用した罪で正式に起訴される見通し。
事件の捜査は、連邦捜査局(FBI)の刑事部門とテロ対策捜査班が担当している。
家族に文書
ブランチ長官代行は26日のNBCニュースの番組で、容疑者の動機は捜査中だが、「予備的」な調べから、容疑者がトランプ氏を含む政権関係者らを「おそらく」狙っていたようだと述べた。
ブランチ氏はまた、容疑者がホテル内で銃を組み立てたという情報について調べていると述べた。そして、容疑者は「(計画実行に)あまり近づかなかった」と強調した。
ブランチ氏はCBSニュースに対しては、容疑者がロサンゼルスからシカゴへ列車で移動し、その後ワシントンに向かったとみられると話した。
政府高官はCBSニュースの取材に、容疑者は文書を残しており、捜査当局がそれを調べていると述べた。政府関係者を標的にする意向が記されていたという。
容疑者の家族の1人は事件前、容疑者が書いたものを受け取り、警察に通報していたという。家族が受け取った文書には、ホワイトハウス記者協会の夕食会に具体的に触れた記述はなかったとされる。
文書は犯行声明のような内容だと言われているが、BBCニュースは文書を独自に確認できていない。
トランプ氏は26日、FOXニュースの取材に対し、容疑者は「しばらくの間、心に強い憎しみを抱いていた」とし、容疑者が「困難」を抱えていたことを容疑者の家族も知っていたと述べた。また、容疑者は「声明」を書いていたとした。
避難のタイミングめぐり疑問の声
今回の事件では発生直後、夕食会の会場からトランプ氏、妻のメラニア氏、J・D・ヴァンス副大統領、マイク・ジョンソン下院議長などが警備スタッフによって急いで連れ出された。
その後、ソーシャルメディアでは、シークレットサービス隊員たちがトランプ氏を避難させるよりも前に、ヴァンス氏を会場の外に移動させていたことを示す動画が拡散され、そうした避難のタイミングを疑問視する声が出ている。
トランプ氏は26日のCBSニュースの番組「60ミニッツ」で、シークレットサービスが自分を避難させようとしたが、自分はそれに抵抗し、隊員たちに「楽をさせなかった」のだと話した。
「何が起きているのか見たかった。(中略)そしてその時、これはまずい事態かもしれないと気づき始めた」と述べた。
大統領はまた、警備職員から身を隠すよう求められ、「床に伏せてください」と言われたと話した。そして、自分の警護チームを「素晴らしい人々」と称賛した。
ホワイトハウスは26日に声明を発表。トランプ氏が閣僚らと共に「発砲を伴う暗殺未遂」を生き延びたとして、大統領は「恐れたりしない」と強調した。
一方、夕食会でトランプ氏の隣に座っていたホワイトハウス記者協会のウェイジア・ジャン会長は同日、今回の襲撃を「おぞましい」と表現。シークレットサービスに対し、「ゲスト数千人を守ってくれた」と感謝した。
夕食会にはBBCの記者も数人出席していた。ギャリー・オドノヒュー北米主任特派員は、「大きな音が響く」のが聞こえ、「その直後、あれは半自動小銃の鈍い低音だと思った」と話した。
トランプ氏が暗殺の脅威にさらされたのはこれで3回目となる。2024年7月には、ペンシルヴェニア州バトラーでの集会で銃弾が同氏の耳をかすめた。同年9月には、フロリダ州ウェストパームビーチにある自身のゴルフクラブの茂みから、同氏を銃撃しようと機会をうかがっていたとみられる人物が発見された。今年2月には、米フロリダ州にある私邸兼リゾート「マール・ア・ラーゴ」の敷地内に武装した男性が侵入したため、射殺したとシークレットサービスが発表した。
トランプ氏がホワイトハウス記者協会の夕食会に出席するのは、大統領としては今回が初めてだった。2011年には一般市民として出席した。
今回の事件は、世界の指導者らが非難している。
イギリスのキア・スターマー首相は、「衝撃を受けた」とし、「民主主義の制度や報道の自由に対するどのような攻撃も、可能な限り強い言葉で非難する必要がある」とした。
カナダのマーク・カーニー首相は、トランプ氏とファーストレディ(大統領の妻)、会場にいた人々が無事だったことに「ホッとした」と述べた。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相も、現場にいた人たちが無事だったと「聞いて、良かった」とした。