航空各社はロシア領空を避けるべきとゼレンスキー氏 ウクライナがドローン作戦を強化

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、青と黄色の国旗の前で敬和しい表情で立っている

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画像説明, ウクライナのゼレンスキー大統領
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ハリー・セクリッチ記者

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は1日夜、航空各社に対し、ロシアの領空は「事実上閉鎖される」と述べた。 ウクライナが最近、ロシアへのドローン攻撃を強化しているのを受けたもの。

ゼレンスキー大統領は、「ロシア領空を利用するすべての航空会社、すべての保険会社、そしてロシアの主要空港を今も利用しているすべての人々に警告したい。ロシアの空は完全に危険な状態になりつつある」と述べた。

ウクライナはその後、民間航空機に及ぶリスクについて、国連に正式に通知した。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、この発言は「国家テロの宣言」に等しいと述べた。

ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、中国、トルコ、湾岸諸国の航空会社などが現在もロシア領空のルートを利用している。アジアとヨーロッパを結ぶ路線において、時間と燃料の節約につながっている。

一方、他の航空会社は、2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ロシア領空や東ヨーロッパ地域の航路をほぼ避けてきた。

ウクライナは、自国の領空を民間航空機に対して閉鎖している。

ゼレンスキー大統領は1日夜のビデオ演説で、空域でのリスクの高まりについて説明。「ウクライナは民間航空そのものを脅かすつもりはない。民間機を1機たりとも脅かすつもりはない」と述べ、罪のない人々の命が失われることを望んでいないと語った。

一方で、「ロシアの空には、無視できない規模のドローンが飛来することになるだろう」とも語った。

ゼレンスキー氏は、ロシアの空港、特にサンクトペテルブルクやモスクワといった主要都市の空港への運航を継続している航空会社に対し、警告を発した。

ウクライナのアンドリー・シビハ外相はXに投稿した声明で、ウクライナは国際民間航空機関(ICAO)に対し、ロシアの空域が民間航空機にとって安全ではないことを正式に通知したと述べた。

声明は、「我々(ウクライナ)は意図せぬ事態を防ぎたい」とし、「戦争はロシアに回帰しつつある」と付け加えた。

フライト追跡サービス「フライトレーダー24」には2日午後の時点で、ロシア領空を飛行する多数の航空機が表示されていた。ロシアの主要2空港への発着便も含まれていた。これらの便には若干の遅延はあったものの、欠航はほとんどなかった。

ロシア領空を運航する複数の航空会社は、BBCに対し、状況を注視していると述べた。

カタール航空は、ロシア領空を通過してモスクワを経由し、アメリカ西海岸へ向かうルートを利用している。同社はこのルートについて、「領空の安全保障、安全評価、地政学的動向の厳格かつ継続的な監視に基づいて策定されている」と述べた。

トルコの格安航空会社ペガサスは、「技術的および運航上の理由」から1日と2日にロシア行きの便を欠航したが、それ以降は「予定通り運航する」と述べた。

アラブ首長国連邦(UAE)の国有格安航空フライドバイはBBCに対し、「地域の状況の変化を綿密に監視し、必要に応じてフライトスケジュールとルートを調整する」と述べた。

ウクライナはロシア領内への攻撃で、エネルギー施設を標的にしているほか、ロシアの大手オンライン小売業者であるワイルドベリーズやオゾンの倉庫も繰り返し目標にしている。

こうしたドローン攻撃はここ数カ月、ロシアの主要空港、特にモスクワの空港で混乱を引き起こしており、時には同市の主要空港4カ所すべてで発着便の運航を停止せざるを得ない状況が発生している。

2日にも、複数の便の欠航が報告された。

ウクライナは、混乱を引き起こすのが目的の場合、空港を標的にする必要はない。

ロシアの防空計画「コヴィヨル(じゅうたん)」では、関係地域でドローンが探知された場合、航空機の運航が停止される。

航空リスクアドバイザリー会社のオスプレイ・フライト・ソリューションズは顧客向け警告の中で、ウクライナによるドローンやミサイル攻撃の大部分は、同国の国境から300キロメートル以内で発生する可能性が高いものの、ロシア領内のより奥深くへの日常的な攻撃もほぼ確実に続くだろうと指摘した。

「ウクライナ軍によるロシア領内奥深くへの攻撃頻度が短期的には増加し続ける可能性も現実的にある」と、声明は述べている。「ウクライナ紛争に関係する地域では、誤算や誤認が発生する可能性が高いと評価されている」。

キルギスで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議に出席したプーチン大統領は記者会見で、「彼らは我々に交渉再開を求めているが(中略)テロリストとは交渉しない」と述べた。

戦時中に民間航空にリスクが及ぶのは明らかだ。

2014年には、ウクライナ東部ドンバス地方でロシアが支援する分離主義勢力とウクライナ軍が衝突するなか、ウクライナ上空でマレーシア航空の旅客機が撃墜され、乗っていた298人全員が死亡した。

このマレーシア航空MH17便は、ロシア製のミサイルで撃墜されたことがわかっている。ICAOは昨年5月、この事件について、ロシアに責任があるとの判断を下した

ロシア政府は、一切の責任を否定し続けている。

2024年にも、アゼルバイジャンの旅客機がロシア領空からカザフスタンに墜落し、38人が死亡した。プーチン大統領はこの時、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領に謝罪し、この「悲劇的な事件」は、ロシアの防空システムがウクライナのドローンを撃退していた際に発生したと述べた。

連日の攻撃受け「戦争をロシアに戻す」と

ロシアによるウクライナへの攻撃も続いている。

1日には大規模な空爆で12人が死亡した。2日にも、首都キーウや南部オデーサ、東部スーミなどが攻撃された。ロシア軍は、ウクライナの発電所に対する「大規模な」攻撃を準備しているとしている。

ウクライナの首都とその周辺地域は、7日間連続で攻撃を受けている。

ゼレンスキー大統領は数週間前、ロシアが連日ウクライナを攻撃していることを受け、ウクライナ軍は「戦争をロシアに戻すプロセスを開始した」と述べた。先週末にも、ロシアは戦争が「元の場所に戻ってきた」と感じなければならないと語った。

プーチン大統領は、ウクライナ軍の攻撃によってロシア国内のインフラが被害を受けたことを認めつつも、修復が必要な石油精製所は「わずか10%」に過ぎないと主張した。