スターリンクの利用制限、トランプ氏の解除発言後も続いている……ウクライナ側が主張

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ウクライナ国防省の複数の関係者は23日、米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」について、所有者イーロン・マスク氏が利用制限を解除したとドナルド・トランプ米大統領が述べたあとも、ウクライナは依然として接続の問題に直面しているとBBCに話した。
国防省関係者らによると、時速161キロメートルで移動していたドローンがスターリンクとの接続を失い、軍事作戦に支障が出たという。
ウクライナ軍はスターリンクと、軍用サービス「スターシールド」の両ネットワークの状況を常時確認している。
「現時点では、制限解除の確認は取れていない」と、関係者らは話した。
ウクライナは先週、スターリンクなどの低軌道衛星へのデータ送信で速度が制限され、ドローンの飛行速度に影響が出ていると発表した。時速約160キロを超える速度で移動するドローンの通信が途絶えたと、当局は説明した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は22日、通信システムの速度はまだ完全には復旧していないと説明。「(マルコ・)ルビオ米国務長官からの連絡を待っている。彼は、48時間ほどで情報を伝えると約束した」と述べた。
一方、トランプ氏は、スターシールドに利用制限をかけるようマスク氏に指示したことはないと主張している。22日には、マスク氏が「復旧させた」と述べた。
トランプ氏は23日、この件について記者から質問されると、「問題があるなら、私が解決する」と言い、「私は彼(マスク氏)とは話していない。そうしないとならないかもしれないが、まだしていない。問題は解決したと聞いている。だが、もしそうでないなら、彼と話すつもりだ」と述べた。
トランプ氏はまた、記者団からの問いに答える形で、マスク氏が権力をもちすぎているとは思わないとの考えを示した。
マスク氏はこれまで、ウクライナの軍事行動に影響を及ぼした速度制限について、自分は関与していないと述べている。
ウクライナが利用制限による支障に関して発表すると、スターシールドは米軍によって管理されているとマスク氏は説明。今回の問題の背後に、米国防総省が関わっている可能性を示唆した。
一方、米政府は繰り返し、スターリンクのネットワークを意図的に制限したことはないと主張している。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ氏がマスク氏に対し、スターリンクの通信速度の制限が続いていることへの不満を伝え、その後、スターリンクは正常な状態に近づいたと報じた。
こうしたなか、イギリスのアンディ・バーナム首相は23日夜、トランプ氏と電話で話した。首相官邸の声明によると、バーナム氏は「ウクライナがロシアの本格侵攻から自国を守り続けるためには、スターリンクへの完全なアクセスが重要だと強調した」という。
「遮断されたら大惨事」
ウクライナは、通信の必要性に応じて、民間向けサービスのスターリンクと、セキュリティー機能が高いスターシールドを使い分けている。
これらのネットワークは、1万基の衛星を利用し、遠隔地や戦場でも通信接続を提供している。ウクライナのドローン操縦者は、スターシールドを使うことで、標的をリアルタイムで視認でき、迎撃も可能になる。
ロシアはスターリンクの使用を許可されていない。そのため、ウクライナが長距離ミサイルでロシア領内深くの石油精製施設を攻撃する場合、このネットワークは機能しない。
BBCの取材に応じたウクライナ兵は、スターシールドに「代わるものはない」と話した。この兵士によると、部隊が今週、時速80キロの車で移動していた時に通信が途切れることがあったという。
「これだけは言っておく。もし完全に遮断されたら、とんでもない大惨事になる」と、この兵士は強調。「通信とインターネットを確保するためのバックアップ手段が必要だ」と述べた。
別の兵士は、スターリンクで最初に異常がみられた際、かつて使用していた「実績あるアルゴリズム」に戻したと話した。ただ、速度の点から、ウクライナ軍にはスターリンクが必要だと強く訴えた。
「データや命令の素早い送信では、1秒や2秒の差も非常に重要だ」、「戦場では、その優位性を実感する」と、この兵士は話した。
トランプ氏とゼレンスキー氏の対立
ウクライナの通信速度低下は、同国によるロシアの石油インフラへの攻撃をめぐり、トランプ氏とゼレンスキー氏が緊迫した外交を繰り広げているなかで起きている。
トランプ氏は、米中間選挙を目前に、ロシアに対する一部の制裁措置を解除し、ロシアのディーゼル燃料を輸入することで合意した。ウクライナと、同国を支援する欧州諸国は、これを批判している。
トランプ氏は、ウクライナによるロシアの石油精製施設への攻撃が、世界中で原油価格を押し上げていると主張している。ウクライナはこの攻撃について、ロシアの戦争遂行のための主要収入源を断つ上で重要だとしている。
ロシアのエネルギーインフラに対する攻撃が、世界の燃料価格に影響を及ぼしている面はある。だが、今年の価格上昇の原因は、主にアメリカ・イスラエルとイランとの戦争だとされる。
ゼレンスキー氏は、ロシアの石油関連施設への攻撃をやめなければ情報提供を停止すると、アメリカに脅されたと述べている。トランプ氏はこれを否定している。
この対立で、両首脳はそれぞれ激しい言葉を発している。トランプ氏は、ウクライナには新しい大統領が必要だと示唆。ゼレンスキー氏は、トランプ氏は真の指導者ではないとしている。
















