マラソンで2時間の壁を破る 優勝のサウェ選手と2位のケジェルチャ選手、ロンドンで2時間切る

ランニングウェア姿で胸にSAWEと書かれたゼッケンをつけたサウェ選手が、胸の前で両手の指先を合わせている。背後には1:59:34のタイム表示がぼんやり見える

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画像説明, マラソンで世界初の公式レース2時間切りを達成したサウェ選手
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26日にあったロンドン・マラソンの男子のレースで、セバスチャン・サウェ選手(31、ケニア)がマラソンの公式レース史上初めて、2時間を切って完走し優勝した。2位のヨミフ・ケジェルチャ選手(エチオピア)も、初マラソンで2時間を切る快挙を果たした。

サウェ選手は1時間59分30秒のタイムで優勝した。これまでの記録は2023年に故ケルヴィン・キプタムさん(ケニア)が出した2時間0分35秒で、それを1分以上更新した。

マラソン界の偉人エリウド・キプチョゲさん(ケニア)は2019年、マラソンで初めて2時間切りを達成した。ただし、先導車が理想のペースを作り、ペースメーカーが交代で走り支援するという管理された状態でのレースだったため、公式記録には認定されなかった。

この日のロンドン・マラソンでサウェ選手は、中間地点を1時間00分29秒で通過し、世界記録ペースでレースを進めた。後半さらにペースを上げ、残り10キロメートル手前で勝負に出た。

サウェ選手の急激なスピードアップについていけたのは、これがマラソン初戦のケジェルチャ選手だけだった。サウェ選手は結局、キプチョゲさんの非公式記録より早いタイムでゴールした。

続いてケジェルチャ選手も、1時間59分41秒で2位でフィニッシュ。サウェ選手に続いて、公式レースで2時間を切った2人目のランナーとなった。

3位のジェイコブ・キプリモ選手(ウガンダ)も、従来の世界記録より早い2時間0分28秒でゴールした。

バッキンガム宮殿を遠く背にした大通りパルマルに設けられたゲートの前、上位3人の選手がピンクの大会バナーを両手で自分の後ろに広げて並んでいる。ウェアにそれぞれの名前が書かれたゼッケンをつけている

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画像説明, (左から)ロンドン・マラソン2位のケジェルチャ選手、優勝のサウェ選手、3位のキプリモ選手(26日、ロンドン)

サウェ選手は競技後、BBCのインタビューで、「いい気分だ。本当にうれしい。私にとって忘れられない一日だ」と喜び、「順調なスタートだった。ゴールが近づくにつれ、自分の強さを感じていた。ゴールラインを越えてタイムを見たときには、本当に興奮した」と話した。

この日の女子のレースでは、ティグスト・アセファ選手(エチオピア)が、ライバルのケニア勢のヘレン・オビリ選手とジョイシリン・ジェプコスゲイ選手を振り切ってフィニッシュ。自身のもつ女子世界記録を更新する、2時間15分41秒のタイムで連覇を果たした。

男子車いすエリート部門では、スイスのマルセル・フグ選手が6年連続で優勝。イギリスのデイヴィッド・ウィアーさんに並ぶ、ロンドン・マラソン大会記録タイの通算8勝を楽々と達成した。

女子車いすエリート部門でも、カテリーヌ・デブルナー選手(スイス)が終盤でタチアナ・マクファデン選手(アメリカ)を突き放し、連覇を果たした。

「マラソンのゴールが移動した」

サウェ選手は昨年、ロンドン・マラソンを2時間02分27秒のタイムで制した。

今年のレース前には、サウェ選手はBBCスポーツの取材で、キプタムさんの世界記録を破るのは「時間の問題」だと断言。2時間を切る最初のマラソン選手になる可能性について質問されると、「いつか(自分がそうなることを)願っている」と話していた。

サウェ選手による世界記録更新について、オリンピックの陸上・中長距離種目で計4個の金メダルを獲得したモハメド・ファラーさんは、「人間が(マラソンで)2時間を切るのを見るまで長い時間待った」、「ずっとみんなが話していた。私たちは今まさに、信じられないような光景を目の当たりにした」と話した。

マラソン女子の元世界記録保持者のポーラ・ラドクリフさんは、「世界中に衝撃を与えることになる」と説明。

「マラソンで目指すゴールがまさに移動した。世界トップクラスを自認するための基準が変わった」とした。

そして、「全員にとって参考になる。『序盤でペースを上げすぎないように』とよく言うが、(サウェ選手らは)しっかり判断して早くから速度を上げて、本当にうまくペース配分した」と述べた。