アンドリュー元英王子宅の捜索、令状は違法と裁判所が認定 捜査は継続

マウントバッテン=ウィンザー氏が車の後部座席に座り、口をかすかに開いて前方を見ている
画像説明, 2月の逮捕時のマウントバッテン=ウィンザー氏。今回、捜索令状の出し方が違法とされたが、警察の捜査は続いている
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イギリスのテムズ・ヴァレー警察は8日、王室メンバーのアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏を2月に逮捕した際に自宅捜索のため使った令状が違法だったと、高等法院で行われた司法審査で認めた。同氏に対する刑事捜査は続く。

この日の審理後も、家宅捜索で押収した物品は引き続き警察が保管する。押収物を証拠として使えるかどうかの審理は、来年開かれる予定となった。

マウントバッテン=ウィンザー氏に対する刑事捜査は、現在も続いている。

かつて王子の身分だった同氏は、公職の立場で不正行為をした疑いで2月19日に警察に逮捕された。2010年に英貿易特使を務めていた際、性犯罪で有罪判決を受けていた米富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(2019年死去)に機密情報を転送した疑いが、米司法省が公表した文書で浮上した。

マウントバッテン=ウィンザー氏は不正行為を否定している。逮捕後、捜索令状の合法性をめぐって法的闘争を開始。弁護団は、同氏の逮捕に至るまでの警察と中央刑事裁判所の行為に問題があるとして、司法審査を申し立てた。

この日の審理では、家宅捜索の前に「裁判所が当初、今回使った特定の法律に基づいて令状を発行した決定は誤りだった」と警察が認めた。

高等法院のニコラス・ヒリアード判事は、捜索令状が違法だったと、マウントバッテン=ウィンザー氏と警察が合意したと認定した。

その上で判事は「捜索令状が取り消されたからといって、捜査が終わるわけでも、捜査全体が違法とされるわけでもない」と指摘した。

判事はまた、警察による証拠の保管にマウントバッテン=ウィンザー氏が反対しているとした。次回の審理は来年開かれる見通し。

何が問題とされたのか

この日の高等法院の審理では、マウントバッテン=ウィンザー氏の自宅の家宅捜索で、テムズ・ヴァレー警察が書類や電子機器を押収したことが明らかにされた。

警察はこれについて、捜索前日の中央刑事裁での審理で、1984年制定の警察・刑事証拠法の8条と9条に基づく捜索令状を申請していたとした。

この申請に対して同裁は、8条に基づく捜索令状だけで十分だと判断。それに合わせて令状を発行した。

しかし、今回の法的な異議申し立てで、同裁は9条に基づく令状を発行すべきだったとされた。

捜索で押収した元王子の所有物を警察が保管するのを認めたことについては、高等法院の判事はこの日、「別の規定に基づいて合法的に押収できるのなら、所有物を返す意味はあまりないだろう」と述べた。

黒い車数台がゲートの内側に進んでいる。ゲートの前では制服と制帽を付けた警官が歩いている
画像説明, マウントバッテン=ウィンザー氏の自宅敷地に入る警察車両

テムズ・ヴァレー警察の報道官は、「令状の取り消しにつながった合意は、これら令状の法的根拠に関する裁判所の決定だけに関するもので、現在進行中の捜査に対する判断ではない」と述べた。

この法的争いでは今後、マウントバッテン=ウィンザー氏の自宅からの押収物を警察が保管できるかが、非公開で審理される。

押収資料をめぐり法廷闘争続く

テムズ・ヴァレー警察が今回、捜索令状が違法だったと認めるに至った誤りは、判事が警察に認めた権限の種類に関係するものだ。

警察が事前に押収の必要性を十分に検討せずに秘密性の高い資料を自動的に押収することは、捜索に関する厳格な法規定によって禁じられている。

そうした資料には、弁護士からの助言や、雇用主から提供された秘匿性の高い業務関連書類のコピーなどがある。

警察は、捜索中にそのような資料を発見した場合、捜査に利用せず返すべきだとされている。

マウントバッテン=ウィンザー氏の自宅の捜索をめぐって裁判所が出した令状は、保護対象の資料を押収する可能性を考慮したものではなかった。

ただし、法律では、警察は追加の検査に合格すれば、そうした資料を押収したり、押収が誤りとされた場合でも資料を保管したりすることができるとされている。

テムズ・ヴァレー警察は今後、押収した資料について、マウントバッテン=ウィンザー氏に対する捜査にとって「相当な価値」がある可能性が高く、裁判で証拠となる可能性もあることを、判事に納得させなくてはならない。