エールフランスとエアバス、2009年の旅客機墜落事故で逆転有罪判決 過失致死罪で仏裁判所

白地に赤と青の複数の線が斜めに入った旅客機の機体の一部が、海上に浮かんでいる。オレンジのライフジャケットを着た人たちが乗る灰色のゴムボートからけん引用のロープが伸び、ライフジャケットを着た人たちが水中に入り、機体を手でつかんで引いている

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フランスの航空大手エールフランスと航空機製造大手エアバスは21日、228人が死亡した2009年の旅客機墜落事故をめぐり、フランスの控訴裁判所で過失致死罪で有罪判決を受けた。一審の無罪から逆転判決となった。

パリ控訴裁はこの日の判決で、エールフランスとエアバスに事故の「唯一かつ全面的な責任」があると認定した。また、両社それぞれに対し、最高額の罰金22万5000ユーロ(約4160万円)の支払いを命じた。この金額については、一部の遺族は形だけだと批判している。

2023年4月の一審では、両社は無罪とされた。だが控訴審では、8週間にわたる公判を経て、有罪判決が出された。

両社は一貫して無罪を主張しており、上告する方針。

検察側は昨年11月の論告で、両社を「でたらめを並べ立て、根拠のない主張をしている」と非難し、その行動を「容認できない」としていた。

ブラジル・リオデジャネイロ発パリ行きのエールフランス447便は2009年6月1日、大西洋の上空を航行中、嵐の中で失速。高度約3万8000フィート(約1万1580メートル)から海面に墜落した。乗客216人、乗員12人全員が死亡し、フランスの航空史上最悪の事故となった。

フランスの調査当局は2012年、機体のセンサーに関連した故障と、操縦士の失速への不適切な対応が相まって、墜落したと結論付けた。操縦士については、誤った対気速度の表示に混乱し、失速時に下げるべき機首を誤って上げたとした。

エールフランスは事故直後の声明で、操縦士の飛行時間は1万1000時間以上で、うち1700時間は事故機と同型機での飛行だと説明した。事故機は2009年4月16日、つまり事故の約1カ月半前に最後の整備点検を受けていた。

事故機には、成人男性126人、成人女性82人、子ども7人、乳児1人が乗っていた。国籍はフランス(61人)、ブラジル(58人)、ドイツ(26人)、アメリカ(2人)、イギリス(5人)、アイルランド(3人)など33カ国に及んだ。

乗員12人は、ブラジル人が1人で、その他はフランス人だった。

事故後の現場捜索では、開始から26日間で51人の遺体が収容された。その多くは、座席でシートベルトを着用した状態だった。

「ようやく遺族の痛みを考慮」

この日の判決の言い渡しには、フランス、ブラジル、ドイツ国籍の乗客の遺族らが立ち会った。

事故で息子を亡くし、犠牲者団体の代表を務めるダニエル・ラミーさんは、判決を称賛。司法制度が「ようやく、耐え難い残酷さを伴う集団的悲劇に直面した遺族の痛みを考慮した」と述べた。


犠牲者の名前が記された黒い土台の上に、大きな半透明の板が立てられている。碑の前や横に花が供えられている

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画像説明, 死者228人の追悼碑。墜落事故から1年後にパリの墓地に設置された

死者の中には、ブラジルで休暇を過ごして帰国途中だったイギリス人少年(11)やアイルランド人女性医師3人などがいた。

この事故以降、操縦士の訓練は改善され、航空機の速度センサーも交換された。