米政権、連邦当局の死刑で銃殺を認める ガスと電気椅子も追加導入

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アメリカの司法省は24日、連邦刑務所に対し、死刑執行の手段の拡大を指示した。従来の薬物注射に加え、銃殺、ガスによる窒息、電気椅子を導入する。

同省はこの日公表した文書で、この拡大によって死刑制度が「強化」され、「最も残虐な犯罪を抑止し、被害者に正義をもたらし、遺された人々に長らく待ち望まれていた決着をもたらす」としている。

また、致死量の薬物注射による刑の執行は妥当だとし、薬剤ペントバルビタールを「致死注射薬のゴールドスタンダード(最もすぐれた選択肢)」だとしている。

この薬剤は、1993年から連邦当局による死刑執行の標準的な手段となっている。だが、死刑に反対する活動家らは残酷な方法だと批判しており、近年では薬剤の調達で困難が生じている。

司法省は、そうした状況で死刑の執行手段を広げることは、「特定の薬剤が入手できない場合でも、合法的な死刑を執行する準備を確実に整えるのに役立つ」と、公表文書に添えた報告書で主張した。

アメリカでは連邦当局による死刑は、ジョー・バイデン前大統領の在任中、執行がほぼ停止されていた。バイデン氏は退任前、連邦裁判所で死刑が確定していた40人のうち37人に恩赦を与えた

一方、ドナルド・トランプ大統領は昨年の2期目就任初日に、死刑執行の再開を司法省に指示した。

トランプ氏は長年死刑を支持

トランプ氏は長年にわたり死刑制度を支持してきた。政権1期目には、20年近くにわたっていた連邦政府による死刑執行の停止を終わらせ短期間に連邦死刑囚13人の刑を執行させた

昨年1月にホワイトハウスに戻った初日には、トランプ氏は「(死刑の)適用を必要とするほどの重大な犯罪すべて」で再び死刑を求めるよう命じる大統領令に署名した。また、不法移民が警官など法執行官を殺害した場合についても同様だとした。

トッド・ブランチ司法長官代行は声明で、「前政権は、テロリスト、子ども殺害犯、警官殺害犯など最も危険な犯罪者に対して究極の刑罰を適用・執行することを拒否し、米国民を守るという義務を怠った」と主張した。

一方、野党・民主党のディック・ダービン上院議員は、今回の変更を「残酷で、不道徳で、差別的」だとXでの声明で批判。「連邦死刑の拡大は私たちの国の歴史に汚点を残す」とした。

死刑に関して独自の法律をもつ一部の州は、すでに代替手段の導入を進めている。

米民間団体・死刑情報センターによると、5州が死刑の手段に銃殺を採り入れている。