トランプ氏、イランとの新たな交渉は3日からと

機内の廊下で壁に手を着き、前を見て話す紺色スーツ姿のトランプ氏

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画像説明, 大統領専用機内で記者団に話すトランプ米大統領(2日)
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バーンド・デブスマン・ジュニア、ジェイムズ・チェイター、ジョー・インウッド

トランプ大統領は2日、大統領専用機内で記者団に対し、イランとの新しい協議は3日に始まると述べた。これに先立ちトランプ氏は、イランへの大規模な攻撃を脅した後、1日にはイランとの間で合意が「速やか」に成立することを条件に、計画していたイランへの攻撃を中止したと表明していた。

トランプ氏は専用機エアフォースワンの機内で、「(イランは)攻撃されるのが分かっていたから、どれだけの規模になるかも承知していた」のだとして、トランプ氏は「交渉の形で向こうと話す。明日(3日)の午後に始まる」と話した。

イランとの合意に期限を設けるのかと記者団が質問したものの、大統領は明確な返事を避け、「様子を見よう。こちらはそのつもりになればいつでも行動できる(中略)自分は人を殺したいわけじゃない」と答えた。

トランプ氏はさらに、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子をはじめ、アラブ首長国連邦(UAE)やカタールなどアメリカと同盟関係にある湾岸諸国が、週末に攻撃を実施しないよう求めてきたと述べた。

「こちらは準備万端だった」とトランプ氏は言い、「(中東諸国が交渉を)して欲しいと言ってきたのは、合意できると彼らは思っているからだ」、「ホルムズ海峡についての合意がまとまっているし、核問題についても合意が成立するだろう」と話した。

トランプ氏はさらに、予定していた攻撃は「第2次世界大戦以来最大の攻撃」になっていたはずだが、それを実行すれば外交交渉による終戦が妨げられていたかもしれないとも述べた。

報道されていたようにイランのエネルギー・インフラを攻撃するつもりだったのかという質問には、回答を避けた。国際法の専門家らは、そのような攻撃は戦争犯罪に該当する可能性があると指摘している。

イラン政府はまだ、トランプ氏の2日の発言に反応していない。トランプ氏はこれまでも、交渉による停戦が間もなく実現すると発言してきたが、その後に戦闘が再開している。

これに先立ちトランプ大統領は1日、イランとの間で合意が「速やか」に成立することを条件に、計画していたイランへの攻撃を中止したと表明した。

トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、合意の「範囲」について了解が得られたことを理由に、イランや他の中東諸国から、攻撃を控えるよう求められたのだと書いた。

イランの準国営通信社メフル通信は、イラン政府がアメリカに攻撃中止を求めた事実はないと主張し、トランプ氏の言い分は「新しいうそに過ぎない」と批判した。

イランのマジド・イブン・アル・レザ国防相代行は1日、イラン政府は敵対国からのあらゆる脅威を「現実的で信じるに足りるもの」と受け止めると述べた。たとえそれが心理戦の一環だったとしても同様で、「我々は不意を突かれたりしないし、受け身にもならない」とも述べた。

イランにおける最大出力1000メガワット以上の発電所の位置

BBCがアメリカで提携するCBSニュースは、トランプ政権が7月31日に開いた閣議で、この大規模攻撃が取り上げられたと、情報筋の話として伝えていた。

アメリカ政府はまた、中東在住のアメリカ人に対し、警戒を怠らず、地域情勢が悪化した場合には避難できるよう準備しておくよう促していた。

トランプ氏は1日の投稿で、アメリカは「第2次世界大戦以来なかったレベルの軍事的恐怖と力と威力をもって、イラン・イスラム共和国を攻撃する準備を万全に整えている」と述べた。

そのうえで、この攻撃を中止することは「世界の将来にとって有意義だし、同様に、イランが成功して繁栄する国として存続することにもつながる」と書いた。

トランプ氏は4月7日には、イランが和平交渉に応じなければ「今夜、一つの文明がまるごと滅びる」と警告し、イランの民間インフラや発電所を破壊すると脅した。大統領のこの脅しは戦争犯罪だと、アメリカ内外の大勢から非難された。

この脅しを機に4月11日からJ・D・ヴァンス米副大統領が率いるアメリカ代表団が、パキスタンでイラン代表団と対面で協議するという歴史的な展開につながったものの、合意に至らなかった。

CBSニュースによると、トランプ大統領は31日の閣議で、記者たちがまだ部屋にいる状態で、「(イランを)強力にたたくことになる。向こうもそのうち『もう無理だ』と言い出すはずだ」と発言した。

サウジアラビアの国営通信社SPAは翌日、同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子が地域情勢の緊張緩和のため、トランプ大統領と電話会談したのだと報じた。

SPAは、「殿下は、緊張緩和のために対話を優先することの必要性と、外交的解決への道を開く停戦を実現するためにあらゆる努力を尽くすことの重要性を強調された」と伝えた。

アメリカと同盟関係にある湾岸諸国は、たとえイランのミサイルがアメリカ本土までは届かなくても、バーレーン、ヨルダン、アラブ首長国連邦などは射程圏内にあるため、海水淡水化計画などの重要インフラが攻撃されることを懸念している。

ホルムズ海峡の位置を示した中東地図

アメリカとイランは、4月の停戦合意が6月に崩壊して以来、攻撃と報復をエスカレートさせている。

アメリカはイランの港湾を封鎖し、イランの施設を爆撃してきた。一方、イランは中東諸国にあるアメリカの拠点をミサイルやドローンで攻撃するほか、世界の石油輸送にとって重要な水路のホルムズ海峡の船舶を標的にしている。

トランプ大統領が直面するのは、国際的な圧力だけではない。米ピュー研究所によると、アメリカ人の約60%がイランとの戦争に反対しており、それがトランプ大統領の支持率低下の一因となっている。