エボラ出血熱、新しいワクチン3種が開発中 感染拡大の懸念の中

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ジェイムズ・ギャラガー保健科学担当編集委員
コンゴ民主共和国(旧ザイール)で感染が拡大している希少な型のエボラウイルスに対処するため、三つの新しいワクチンの開発が進んでいる。現在流行中のエボラ出血熱の「ブンディブギョ株」では、すでに約250人が死亡している。
3種類のワクチンのうち1種類を開発している国際エイズワクチン推進構想(IAVI)は、今回のアウトブレイクが過去最悪になる恐れがあると述べた。
このほか、英オックスフォード大学と米製薬大手モデルナも、それぞれ「ブンディブギョ株」に対するワクチンの研究を進めている。
各プロジェクトに資金を提供している感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)は、「1日1日が重要だ」と述べている。
コンゴ民主共和国では現在、感染疑い例が1000件を超えている。隣国ウガンダでも、感染が9件確認されている。
今回の流行は、医療資源が限られた紛争地域で広がった後にようやく検出された。そのため、2014年から2016年に西アフリカで発生した史上最大のエボラ出血熱流行の規模に達する可能性があるとの懸念が高まっている。当時は約2万9000人が感染し、1万1000人以上が死亡した。
IAVI代表のマーク・ファインバーグ医師は、「これは明らかに、当時と同程度、あるいはそれ以上に深刻な流行となる恐れがあり、ワクチンの開発やその他の対策の実施は明らかに優先事項だ」と述べた。
この見方は、医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」の懸念とも一致している。MSFは、現在の状況を「深く憂慮すべきだ」としたうえで、「これほど多くの症例がこれほど早く記録されたことはこれまでにない」と述べた。
異なる技術や手法で対応
エボラウイルスには6つの種が存在し、そのうち流行を引き起こすことが知られているのは3種類。ただし、それぞれ個別にワクチンを開発する必要がある。
最も一般的な「ザイール株」に対するワクチンは存在するものの、現在の流行はこれとは別の「ブンディブギョ株」よって引き起こされている。この種はこれまでに2回しか確認されておらず、承認された有効なワクチンは存在しない。
IAVIは、ブンディブギョ株に対抗するため、ザイール型エボラワクチンの改良版の開発を進めている。この実験的ワクチンについてすでに、サルを使った動物実験が行われており、免疫系を迅速に訓練し、ほぼ100%の防御効果を示した。
ファインバーグ医師は、これまでの証拠を見る限りこのワクチンの「可能性について楽観的だ」と述べた。現時点では、ワクチンの臨床試験が可能になるまでに7~9カ月かかるとしつつも、「その期間の短縮」を目指しているとも話した。
米モデルナは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにおいて迅速なワクチン開発に利用されたmRNA(メッセンジャー・リボ核酸)技術を使い、ブンディブギョ株に取り組んでいると発表した。
同社のステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は、「我々は緊急性と科学的厳密性をもって対応を支援し、ワクチンを最も必要とする地域社会にワクチンを提供するため協力する」と述べた。
オックスフォード大学もすでに、COVID-19から多くの命を救った同大学独自のワクチン技術を用いて、新たなエボラワクチンの開発に取り組んでいると明らかにしている。こちらは、2~3カ月で臨床試験の準備が整う見通しだ。
いずれのワクチンも、ウイルスの表面にある「ブンディブギョ糖たんぱく質」と呼ばれる構造を、身体が識別できるように訓練することを目的としている。ただし、そこに至る技術はそれぞれ異なる。
IAVIは、生きてはいるが無害なウイルスを使い、これにエボラの糖たんぱく質を備えるよう遺伝子操作を施している。免疫系はこの無害なウイルスに対して防御反応を示し、その過程でエボラと戦う方法を学習する。
mRNAワクチンとオックスフォード大学のワクチンは共に、遺伝子コードの断片を体内に送り込む。この断片は体内に入ると、ブンディブギョ糖たんぱく質の生成を指示し、体はそれを異物と認識して攻撃を開始する。
どの方法も、人が実際のエボラ感染と戦う際に、人体の免疫系が有利な状態を作り出そうとしている。
しかし、使われる技術や免疫系の訓練方法の違いが、ワクチンの防御レベルや、必要な接種回数に影響を及ぼす可能性がある。こうした項目はすべて、臨床試験で検証する必要がある。
CEPIは、これらの研究の初期段階に資金を提供している。
同団体のリチャード・ハチェットCEOは、「ブンディブギョ株が急速に広がる一方で、承認されたワクチンが存在しない現在、この致命的な疾患との競争では1日1日が重要だ」と述べた。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、「ブンディブギョ株へのワクチンは、この流行の制御に貢献し、将来の発生への備えを強化するかもしれない」と期待を示した。








