ハイチで米宣教師ら17人誘拐、地元ギャングが関与

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カリブ海の島国ハイチの首都ポルトープランスで16日、アメリカ人とカナダ人の宣教師と家族ら17人が誘拐された。地元当局が明らかにした。同国で悪名高いギャングが関与しているという。
誘拐されたのは、男性5人、女性7人、子供5人の計17人(アメリカ人16人、カナダ人1人)。一行は訪問先の孤児院からの帰りに襲われた。
当局によると、4月にカトリック教会の聖職者の誘拐事件にも関与したハイチのギャング「400マオゾ」による犯行という。
ハイチは、世界でも誘拐事件の発生率が高い国の一つ。
地元の市民団体によると、今年の状況は特にひどく、2021年第1四半期から第3四半期までに600件以上の誘拐事件が報告されている。231件の誘拐が発生した昨年の同時期から大幅に増加している。
ハイチでは7月にジョブネル・モイーズ大統領が暗殺され、警察が苦境に立たされる中、対立派閥が同国の主導権を握ろうと争っている。こうした中で誘拐事件が増加している。
カトリック教会は以前、ハイチの状況を「地獄への転落」と表現した。ギャングはハイチ人、外国人を問わずあらゆる社会的地位の人々を誘拐している。
「集団誘拐」
ポルトープランスを拠点とする人権分析研究センターのジェデオン・ジャン所長によると、誘拐事件の大半は400マオゾによるものだという。
ハイチ警察のフランツ・シャンパーニュ警部はAP通信に対し、今回の宣教師グループの誘拐も、400マオゾの犯行とみられると述べた。AFP通信は、人数は不明だが、地元の人も誘拐されたと報じた。
米オハイオ州が拠点の非営利団体「Christian Aid Ministries」とともにハイチを訪れた宣教師たちは、400マオゾが支配する町クロワ・デ・ブーケを出発して間もなく誘拐された。
人権分析研究センターのジャン氏は「400マウォゾが行う誘拐の特徴」と合致すると指摘。バスに乗った人々を丸ごと誘拐する「集団誘拐」として知られる手口だと、米紙マイアミ・ヘラルドに語った。
米紙ワシントン・ポストは、被害者の1人が助けを求めるメッセージをメッセージアプリ「ワッツアップ」に投稿したと報じた。
そこには、「私たちのために祈ってください!! 私たちは人質になっていて、運転手が誘拐された。どうか祈って、祈って、祈ってください。私たちはどこに連れていかれているのかわからない」と書かれてあった。
400マオゾは通常、身代金を要求する。4月にカトリック教会の聖職者を誘拐した際には、聖職者を安全に帰還させる代わりに100万ドル(約1億1400万円)を要求した。今回、宣教師の帰還と引き換えに何かを要求しているのかは不明。
子供たちへのシェルターや食料、衣料の提供や、教育資金の援助など、主に寄付によってハイチの人々を支援する「Christian Aid Ministries」は16日に声明を発表し、「人質となっている人々、誘拐犯、そしてその家族や友人、教会のために祈っている」とした。





