コーミー元FBI長官の娘、トランプ政権が違法解雇と米連邦地裁 復職命じる

白黒のヘリンボーン柄のジャケットを着た長髪の人が斜め前方を見ている
画像説明, 連邦検事を解雇され政府を訴えていたモーリーン・コーミー氏
Published
この記事は約 4 分で読めます

米ニューヨークにある連邦地方裁判所は26日、連邦検事だったモーリーン・コーミー氏を、司法省が違法に解雇したとの判断を示した。コーミー氏は、ドナルド・トランプ大統領に批判的なジェイムズ・コーミー元連邦捜査局(FBI)長官の娘。コーミー元長官も、トランプ政権の司法当局から刑事訴追され続けている。

モーリーン・コーミー氏は、2025年7月にニューヨーク州の連邦検事の職を失った。父親や、自身についてみなされた政治傾向を理由に不当解雇されたとして、政府を訴えていた。

その訴訟で、ニューヨーク州南部地区連邦地裁のジェシー・ファーマン判事は26日、コーミー氏の復職と、2025年7月から新しい職に就いた同年12月までの未払い給与の支払いを、トランプ政権に命じた。

ファーマン判事は判決で、コーミー氏の解雇は合衆国憲法に違反し、公正な法的手続きを受ける同氏の権利を侵害しているとした。

また、司法長官は連邦検事を解任できるが、「特定の方法で、特定の理由がある場合」に限られるとした。

さらに、コーミー氏が検事として、「国内で注目度の高い事件をいくつか担当し、上司や同僚から一貫して非常に高い評価を受けていた」とした。

コーミー氏は、性犯罪で有罪とされた故ジェフリー・エプスティーン元被告や、共犯者のギレイン・マックスウェル受刑者、元交際相手2人が関係した売春関連の罪で有罪判決を受けたヒップホップ界の大物、ショーン・「ディディ」・コムズ被告に対する事件を担当してきた。

コーミー氏の弁護団は声明で、「苦労の末に勝ち取ったこの勝利は、コーミー氏、すべての公務員、そして法の支配のために闘うすべての人のものだ」とした。

司法省の報道官は、判決には納得できないため「適宜、上訴する」との声明を出した。

父親がトランプ氏に批判的だからか

コーミー氏は以前、解雇の理由について「ワシントンからの指示」とだけ告げられたと述べていた。

コーミー氏の弁護団は2025年9月に提出した訴状で、同氏が解雇されたのは「父親がジェイムズ・B・コーミー元FBI長官であること、または彼女がもつとされた政治傾向や信条、もしくはその両方が、唯一または実質的な理由だ」と主張していた。

一方、司法省は裁判文書で、解雇はパム・ボンディ前司法長官が決定したとした。

トランプ政権は、コーミー氏の父コーミー元FBI長官を刑事訴追する姿勢を鮮明にしている。

昨年9月には、議会で虚偽の証言をし、議事を妨害した罪で、連邦大陪審が元長官を起訴した。しかし、起訴を担当した検事の任命が違法であったとして、同年11月に公訴棄却となった。

この事件では、浜辺の貝殻が「86 47」と読めるように並べてある写真を、元長官が2025年にインスタグラムに投稿したことが問題となった。

「86」は俗語で「取り除く」という意味があることから、検察はこの投稿が第47代大統領のトランプ氏に対する暴力を助長するものだと主張した。

元長官は、一切の不正行為を否定している。この事件の裁判は現在も続いている。

今月26日には、司法省が元長官を防衛情報を流出させた疑いで訴追したことが明らかになった。これで、トランプ政権下の司法省による元長官の刑事訴追は3回目となった。