イギリス、年内にも子どものSNS利用に関する規制を導入へ 首相は行動を約束

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リヴ・マクマーン・テクノロジー記者、ゾーイ・クラインマン・テクノロジー記者、ヒュー・ピム健康編集長
イギリスのキア・スターマー首相は26日、ソーシャルメディアが子どもに与える影響に対処するため、「決定的な」行動を取ると述べた。英政府は年内にも16歳未満を対象としたソーシャルメディア利用に関する新措置を導入する予定で、この日、関係機関や影響を受けた人たち、有識者などの見解を聞く一連の諮問を終了した。
検討されている措置の中には、オーストラリアで昨年から実施されたような、ソーシャルメディアの使用禁止なども含まれている。
リズ・ケンドール技術相は、今夏にも諮問の内容にもとづいた政府の対応を公表するとしている。
スターマー首相はこの日、ソーシャルメディアの影響で自分たちの子どもが死亡したと主張する家族や、関連活動団体と面会した。その中で、「行動することが重要だ。私たちは行動する」と述べた。
面会の前に首相は、16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止すべきだとの要請がある中で、政府の行動は「ゲームチェンジャー(状況を一変させるもの)」でなくてはならないとの認識を明確にした。

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しかし、首相と面会した一人、エレン・ルーム氏はBBCに対し、有効な対策が実施されると「確信しているかというと、まったくしていない」と述べた。
ルーム氏の子どものジュールズ・スウィーニーさんは2022年に14歳で亡くなった。ルーム氏は、有害視されるソーシャルメディアの利用可能年齢を16歳に引き上げるよう求めている。
同様に首相と面会したマリアーノ・ジャニン氏の子どものミアさんは、学校とインターネット上でいじめにあい、2021年に14歳で自死した。
ジャニン氏はBBCに対し、スターマー首相が行動すると自分は「信じたい」と述べたが、現時点ではテクノロジー企業が人工知能(AI)チャットボット製品を次々と展開するなど、状況は変わらないと話した。
首相との面会に参加した一人は記者団に対し、この日の会合は首相にとっての「聞き取りの場」だったとして、自分たちは変化実現のために「何もかも率直に話した」と述べた。
「(ソーシャルメディアの影響で子どもを失った家族という)このグループが、これ以上大きくなってほしくない」と保護者の一人は話し、「私たちの要望がすべて順守されてもらいたい」と強調した。
別の人は、「オンラインでの加害によって子どもが死ぬなど、これ以上あってほしくない」と話した。
組織や保護者、若者が意見提出
イギリス政府は3月以降、アプリの利用時間制限や年齢確認の強化を含む措置が、オンラインの安全性を改善するかどうかについて、保護者や子どもに意見を求めるとともに、国内の家庭を対象とした実証試験を実施してきた。
ケンドール技術相はBBCに対し、政府は幅広い問題や機能を対象に、そしてそれが子どもにどのような影響を与えているかを見ており、26日に終了した諮問で出た「あらゆる意見」を参照すると話した。
「対策は正解でなくてはならないし、長続きするものでなくてはならない」

諮問では、慈善団体や活動団体、一般市民が8万件以上の意見を寄せ、禁止措置など介入策について見解を示した。
AP通信が入手した政府のデータによると、調査には4万2410人の保護者と1万3890人の若者が回答した。
調査は、夜間の利用制限や、自動再生や無限スクロールといった機能の無効化といった、さまざまな対策案について意見を回答者に求めた。
警察から子ども関連団体、業界団体に至る多くの組織も、子どものソーシャルメディア利用について見解を示している。
英国家犯罪庁(NCA)と英全国警察本部長評議会(NPCC)は先に、アプリではなく機能に焦点を当てた制限が必要だと提言。16歳未満の利用者について、プライベートメッセージをはじめとする「高リスク」の機能を禁止すべきだと述べた。
業界団体テックUKのドニャ・ソニ=クラーク副代表も、BBCラジオ4の番組「トゥデイ」で、「プラットフォームではなく機能を規制すること」が最善の進め方だと述べた。
一方、イギリスとアイルランドの複数の医療学会を統括する王立医学会アカデミー(AoMRC)は26日に意見書を公表し、医師が日常的に若年患者に対して端末やソーシャルメディアの使用について尋ねるべきだと主張した。
AoMRCは意見書で、スクリーンタイム(アプリごとの利用時間)とソーシャルメディアの利用を並行する問題として示した。また、インターネット上で過激な暴力を視聴することで生じる心身の健康問題の事例も示した。
科学界全体では、スクリーンタイムが総じて子どもに有害だという合意には至っていない。
しかし、AoMRCのジャネット・ディクソン会長は、医師たちはかつて喫煙やシートベルトでそうしたと同じように、若者のソーシャルメディア利用について結束するようになったと述べた。
健康や福祉にリスクをもたらすものとして、スクリーンタイムやSNSが喫煙にたとえられるのは、これが初めてではない。
近年、若者によるSNS利用のリスクを強調するため、たばこ製品に表示されているような警告を導入するよう求める声が頻繁に上がっている。
最近では米カリフォルニア州で、子どものころにソーシャルメディアに依存するようになったとして、米メタおよびユーチューブに損害賠償を求めた女性が勝訴した。これは、かつて1990年代のアメリカで複数の大手たばこ企業に対する集団訴訟が相次ぎ、たばこ産業がニコチンの有害性を認識していたことを認めるに至った事態に匹敵するとして、大手テクノロジー各社にとってのいわゆる「ビッグ・タバコ的瞬間」だとして、注目されている。
一方で、一部の活動家は、ソーシャルメディアへのアクセスを遮断することが子どもにとって適切な解決策にはならないと考えている。
オーストラリアでは、16歳未満に対して禁止されているはずのサイトに子どもがアクセスできているとの報告があり、この法律の実効性に対する懸念が高まっている。
インターネットの安全性に関する慈善団体モリー・ローズ財団のイアン・ラッセル会長は以前、イギリス政府は「禁止のような強硬手段」を導入するのではなく、既すでにある法律を確実に執行すべきだと述べている。
また、児童の安全に関わる複数の慈善団体は公開書簡で、政府は全英映像等級審査機構(BBFC)とテクノロジー企業を提携させ、「イギリスの映画館で公開される作品に適用されている高い基準に沿って」、インターネットを使う10代を保護すべきだとした。
BBFCのデイヴィッド・オースティン最高経営責任者(CEO)はBBCに対し、「数億にのぼるウェブサイトが、すでに我々の基準に基づいて分類され、携帯通信事業者によってフィルタリングされている」と述べた。
「ではなぜ、ソーシャルメディア企業は自社コンテンツについて同じことができないのか。いや、実はできる、というのが答えだ」と指摘した。
政府の諮問に対し、どのテクノロジー企業が回答したかは明らかになっていない。
しかし、フェイスブック、インスタグラム、ワッツアップを保有するメタは、年齢確認は端末ごとに行われるべきだとし、未成年の子どもが特定のアプリをダウンロードできないようにする仕組みを望んでいると述べている。
ケンドール技術相はBBCに対し、大手IT企業が反発した場合でも行動を起こすつもりだと話した。
同氏は「この国にとって正しいと私が考えることを実施するつもりだし、誰にも止めさせない」と強調した。
今月7日の地方選大敗を受けてスターマー首相の指導力を批判し、保健相を辞任したウェス・ストリーティング下院議員(労働党)は27日、BBCラジオの番組「トゥデイ」で、規制当局と政治家たちが「ハンドルを握ったまま居眠りしていた」と批判した。
ストリーティング氏は、大手テクノロジー企業がかつてのたばこ業界と同じような方法で中毒性の高い製品を作り、子どもたちを傷つけていると主張。これまでに多くの内部告発などから、テクノロジー大手が「自分たちの設計する商品は中毒性が高いと知っているし、自分たちの製品が害をもたらすと知っている」と批判した。
「彼らのビジネスモデルは、できるだけ年少のうちに子どもたちを取り込むことを目指している」とも話した。
さらにストリーティング議員は、イギリスの対策は「ほかより遅れている」ため、政府は「予防原則を適用」し、素早く行動すべきだと主張した。












