【2026年サッカー男子W杯】 イラン代表チーム、メキシコに到着 米国とビザ問題で揺れるなか

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開幕目前のサッカー男子2026年ワールドカップ(W杯)に出場するイラン代表チームが7日、メキシコに到着した。同チームをめぐっては、試合場所のアメリカのビザ(査証)やスタジアムへのアクセスが問題になっている。
アメリカ、カナダ、メキシコが共同開催するW杯北中米大会は11日に開幕する。イランは、グループステージ(1次リーグ)3試合をすべてアメリカで戦う。
イランの選手やサポートスタッフらは、アメリカには試合当日に入国し、その日のうちに出国するよう通告されている。
米当局によると、イラン代表の全選手と「必要なサポートスタッフ」には、同国の初戦の10日前の今月5日にビザが発給された。
イランは15日に米ロサンゼルスで、グループステージ最初の試合をニュージーランドと戦う。他のもう1試合(ベルギー戦)もロサンゼルスで、残りの1試合(エジプト戦)はシアトルで、それぞれプレーする。
W杯で開催国が、戦争をしている相手国の代表チームを受け入れるのは、これが初めて。
イランは、関係者とサポートスタッフの計15人がビザの発給を拒否されたと発表している。イラン国営メディアによると、これには同国サッカー連盟の会長、副会長、広報部長らが含まれているという。関係者の1人は、最悪の形でのスポーツに対する政治的干渉だと批判している。
イラン代表チームはこの日、メキシコ・ティフアナに早朝に到着した。当初、トレーニング拠点は米アリゾナ州トゥーソンを予定していたが、5月下旬に変更した。
イランは、アメリカとイスラエルがイラン攻撃を開始するほぼ1年前の2025年3月に、予選グループを首位で突破し、本大会への出場権を獲得した。
「制度悪用」許さないと米当局
米当局は、イランが「この制度を悪用し、偽りの名目でテロリストをひそかにアメリカに入国させる」のを許さないとしている。
これは、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官が先週、イラン軍の有力組織「イスラム革命防衛隊(IRGC)」の関係者がイラン代表団に含まれるのは認めないと発言したのと同様の方針。
イラン代表の選手数人は、兵役義務をIRGCで果たしている。
トルコにあるイラン大使館は、アメリカが「管理と幹部のスタッフの大半」と「技術顧問ら」へのビザ発給を拒否したことは、「スポーツへの政治的に偏向した干渉」だと非難した。
大使館関係者らはまた、国際サッカー連盟(FIFA)に対し、このビザ問題に介入するよう求めた。

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40年以上にわたる緊張関係
イランとアメリカは、40年以上にわたり敵対している。1979年にテヘランで米大使館占拠事件とそれに続く人質事件が起きて以来、両国は正式な外交関係を断絶している。
そうしたなかで両国は、サッカーを通じて限定的ながらも、直接かかわってきた。
最も有名な対戦は、1998年男子W杯フランス大会での一戦だ。キックオフ前、イランの選手たちは平和の証としてアメリカの選手たちに白いバラを贈った。その場面は、政治を超越したものと広く受け止められた。イランはこの試合、アメリカを2-1で破った。
両国は2022年男子W杯カタール大会でも対戦。この時は、アメリカが1-0で勝利し、ノックアウト・ステージ(決勝トーナメント)に進出した。
今大会では、両国がノックアウト・ステージにともに勝ち進めば、対戦する可能性がある。もし実現すれば、戦争当事国同士の試合となり、サッカーの枠をはるかに超えた意義をもつことになると予想される。

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イラン国内での代表チームの位置
一方、イラン代表チームの同国内での位置づけにも変化がみられる。
代表チームはこれまで、政治的・社会的分断を超えて支持を集めることのできる数少ない存在だった。
しかし、2022年男子W杯カタール大会を前に、状況は一変した。テヘランでマサ・アミニさんが警察の拘束中に死亡したことを受け、全国的な抗議活動が巻き起こり、当局がデモ参加者らを弾圧するなかで、同大会は開催された。選手らにデモ参加者らとの連帯を期待する人がいる一方、サッカーと政治は分離したままにすべきだとの声も上がり、代表チームは政治の議論に巻き込まれた。

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今大会は、イランで反政府デモに対する大規模な弾圧があってわずか半年後に開催される。人権団体によると、弾圧では数千人が殺害されたとされる。
一部のサポーターは、政治的な事情に関係なく、代表チームを国民的な誇りの象徴と考えている。一方で、代表チームと国家機関との結びつきが強すぎるため、政治体制とは切り離して考えるべきではないとして、批判的な見方を強める人もいる。
とはいえ、代表チームへの支持が消えたわけではない。サッカーは依然としてイランで圧倒的に人気が高いスポーツで、北中米での代表チームの活躍には何百万人もが注目するとみられている。











