スペイン首相、11月の前倒し総選挙を発表 住宅危機対策めぐる抗議受け

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スペイン議会で、住宅危機に対処するために左派連立政権が提出した一連の措置が否決されたことを受け、ペドロ・サンチェス首相は5日、議会を解散して11月29日に総選挙を実施すると発表した。
サンチェス政権は9月29日、賃借人の強制退去を一時的に停止するなどの政令を2件発表した。これは、首都マドリードで87歳の女性が70年以上住んだ自宅から立ち退きを強いられたことをきっかけに、国内各地で抗議活動が起きた事態に対応してのもの。
政令は即日発効されたが、1カ月以内に議会の承認を得る必要があった。
しかし議員らは10月2日、最初の政令を178対172で否決。二つ目の政令も184対166で否決した。
そのため、総選挙を前倒しするのではないかとの憶測が強まっていた。
マリカルメン・アバスカルさんは先に、自宅アパートの家賃が大幅に値上げされて支払えなくなり、強制的に立ち退きさせられた。この事態をきっかけに、スペイン各地で住宅制度改革を求める抗議活動が広がった。

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サンチェス首相は5日のテレビ演説で、改革を実現するには「エリート層の抵抗を乗り越えられる、より広範な進歩派の多数派」の支持が必要だと述べた。
ここ数カ月、サンチェス政権を悩ませているのは住宅問題だけではない。サンチェス氏率いる与党・社会労働党は数多くの汚職スキャンダルに直面しており、生活費の高騰や移民問題への対応についても圧力を受けている。
サンチェス氏は、「私たちは過ちを犯し、掲げた目標のすべてを達成できたわけではない」としたうえで、「とりわけ不平等や公的サービス、住宅へのアクセスといった分野においては、解決すべき多くの問題が残っている」と認めた。
サンチェス首相率いる与党・社会労働党と左派・スマール連合からなる少数与党政権は、議会で過半数議席を確保していない。
スペイン総選挙は当初、2027年夏までに実施される予定だった。

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3日にはマドリード、バレンシア、バルセロナなどで数万人が街頭に繰り出し、賃借人の保護を強化するよう求めた。
スペインの住宅危機を象徴する存在となったアバスカルさんは、父親が1956年から借り始めたマドリードのアパートに、両親の死後も家賃の上限が設けられた状態で住み続けていた。しかし、2018年にこの物件を購入した投資会社ウルバジェスティオンによる大幅な値上げで、家賃を支払えなくなった。
法の抜け穴により、家賃は月額500ユーロ(約8万8000円)から2650ユーロ(約47万円)へ引き上げられた。その後、1650ユーロ(約30万円)に引き下げられたものの、アバスカルさんの月々の年金額より300ユーロ(約5万円)高かった。
アバスカルさんは9月23日、70年以上住み続けたアパートから担架に乗せられ、強制的に立ち退きさせられた。強制退去が報じられると、数百人の抗議者が立ち退きに反対するために集まり、近年高騰している賃貸住宅市場への対応を求める全国的な運動を引き起こした。
社会的な反発を受け、ウルバジェスティオンはアバスカルさんを低家賃で元の住居に戻すことで合意した。
政府の政令の一つには、弱い立場の賃借人の立ち退きを2030年まで停止すること、2028年以前に期限切れとなる賃貸契約の2年間の延長、観光アパートへの増税、そして政府が「ハゲタカファンド」と呼ぶ投資会社による住宅用不動産の購入制限などが含まれていた。
二つ目の政令には、賃貸契約の自動更新が含まれていたため、ことさらに異論が多かった。これは、左派や賃借人組合の多くの人々が強く求めていたことだった。
右派政党は、政府の介入によって大家や地主層の不安は増し、物件を賃貸市場に出そうとしなくなってしまうため、結果として家賃がさらに高騰すると主張している。
国民党のフアン・ブラボ議員は先週、「住宅は政令によって安くなるのではない。住宅の数が増えれば安くなる」と述べた。
サンチェス首相のリーダーシップはここ数カ月、数々の汚職スキャンダルに傷つけられてきた。
4月には、妻のベゴーニャ・ゴメス氏が、2年間に及ぶ刑事捜査の末、汚職容疑で起訴された。
ゴメス被告は、首相夫人としての立場を個人的利益のために利用したとされる。本人はこれを否定している。サンチェス首相も、連立政権を弱体化させようとする右派勢力の企てだと一蹴している。
5月には警察が、偽情報の拡散に関わった工作員に報酬が支払われたという疑惑の捜査の一環として、マドリードにある社会労働党本部を家宅捜索した。同党はこの疑惑を否定している。
さらに6月には、サンチェス政権の元運輸相ホセ・ルイス・アバロス被告に、新型コロナウイルス流行時のマスク販売に関連してキックバックを受け取っていたネットワークに関与した罪で、拘禁24年が言い渡された。
サンチェス氏自身も、移民危機への対応をめぐり厳しい批判にさらされている。北アフリカにあるスペインの飛び地領土セウタには今夏、モロッコから数万人の移民が無許可で押し寄せた。












